誰もが実感しているはずだ。AIは私たちの生活を楽にするはずであり、多くの点で実際にそうしている。より速く動き、タスクをより短時間で終え、かつては何時間もかかっていたことを片づけられるようになった。
だが正直に言って、本当に時間が増えたと感じるだろうか。それとも、単に引き受けることが増えただけだと感じるだろうか。
私の経験では後者である。効率が上がるほど、期待も大きくなる。以前は丸1日かかっていたことが半日で済むようになり、気づけばその空いた時間を別の何かが埋めている。
だから今、本当の課題は生産性ではない。すべてがより速く動く世界で、自分の時間をどう管理するかである。
現実:仕事が速くなるほど、仕事は増える
AIは、メール、管理業務、フォローアップ、コンテンツ作成といった雑多な作業を片づけるのに優れている。「雑務」を処理するのを助け、より大きなことに集中できるようにしてくれる。
しかし私が見てきたのは、余力が生まれても、そのスペースは空いたままにはならないということだ。会議が増え、依頼が増え、機会が増え、責任が増える。
そして率直に言えば、それ自体は悪いことではない。成長しているということだからだ。価値を生み出しているということでもある。ただし、それを管理する仕組みがなければ、あっという間に手に負えなくなる。
効果があったこと:シンプルに保ち、一貫性を貫く
私にとって、すべては整理整頓と、続けられるルーティンに行き着く。だから複雑にしすぎない。毎日、まったく同じ方法で1日を始める。
最初にすることはメールだ。受信箱を整理し、重要なものに優先順位をつける。
次にToDoリストを確認する。1日にのみ込まれる前に、自分の方向性を整える。
そこから、社内、社外、顧客対応の電話や打ち合わせに移る。
この構造が、その日の基調をつくる。
オフィスにいるか、出張中かも関係ない。移動中でも同じやり方を続ける。早起きし、メールを処理し、ToDoリストを確認し、準備を整えて1日に入る。
画期的なことではない。だが、効果はある。
なぜなら、予定が詰まっているとき(たいていそうだが)に最も避けたいのは、どこから始めるべきかを考えることだからだ。
整理された状態で始めれば、先手を打ち続けられる。
初期に学んだ教訓
キャリアの初期、私はすべてを自分で処理できると思っていた。
リストは不要だと思っていた。ルーティンも必要ないと思っていた。電話、フォローアップ、約束、次のアクションを、すべて頭の中に入れておけると考えていた。
十分に速く動きさえすれば、すべてを把握し続けられると思っていた。そしてしばらくは、それでうまくいった。うまくいかなくなるまでは。
忙しさが増すにつれ、物事が抜け落ち始めた。フォローアップを忘れる。やると言ったことが終わっていない。細部が慌ただしさの中で失われる。
そうなると、自分の信頼性に影響する。
結局のところ、信頼されるアドバイザーであることは、最も多くを知っていることではない。一貫していることだ。自分がやると言ったことを実行することである。
ストレスが積み重なり、何かを変えなければならないと気づく地点に至った。そこで私は切り替えた。
プロセスをつくった。整理した。記憶に頼るのをやめ、構造に頼るようにした。
それは大きな違いを生んだ。成果だけでなく、顧客やチームに対する自分の向き合い方にも変化をもたらした。
なぜ今、これまで以上に重要なのか
AIによって、すべてが加速している。より短い時間でより多くのことができる。それは素晴らしいことだが、同時に、自分に向かってくるものも増えるということだ。
ルーティンがなければ、1日は自分を振り回す。だが1日の中に構造を組み込めば、自分がそれをコントロールし始められる。
私にとって重要なのは、カレンダーにさらに多くを詰め込むことではない。何が重要かを明確にし、毎日準備した状態で臨めるようにすることだ。それを一貫して行えば、ほかのすべてが収まるべきところに収まり始める。
最後に
AIは増幅装置である。良い習慣をより良くし、悪い習慣をより悪くする。
AIは基本を置き換えるものではない。むしろ、基本をいっそう重要にしている。
私にとって、その基本は次の3つに尽きる。
• 1日を正しく始める。
• 整理された状態を保つ。
• 自分のプロセスを信頼する。
早い段階で成功できる状態を整えれば、その効果は1日を通じて返ってくる。そして加速し続ける世界において、それこそが自分の足場を保つものになる。



