経営・戦略

2026.08.03 08:08

努力しているのに売上が伸びない――営業成長を阻む構造的な問題

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売上の伸びが停滞するとき、その原因が努力不足であることはめったにない。大半のチームは、危機感に対してより懸命に働くことで対応しようとする。行動量が増え、スケジュールは埋まり、アウトリーチの件数は増加し、社内での議論も活発化する。外から見れば、チームはやるべきことをすべてやっているように見える。しかし、より懸命に働くことが、必ずしも目標達成に近づくことを意味するわけではない。実際、適切な仕組みが裏に存在しなければ、どれだけ努力しても成長にはつながらない。

方向性のない努力はスケールしない

方向性を改善せずに努力の量だけを増やすと、根底にある問題がより浮き彫りになり、無視できなくなる。例えば、見込み客の選定基準(クオリフィケーション基準)が緩いと、見込み客のプールが必要以上に大きくなってしまう。つまり、チームがもともと的外れなターゲットにアプローチしていた場合、その誤ったターゲットへの接触回数が増えるだけだ。響いていなかったメッセージが、より大きなボリュームで繰り返されることになる。プロセスが明確でなければ、行動量を増やしても、散漫な行動が増えるだけに終わる。

また、プレッシャーは営業担当者の行動を変化させ、深刻な結果をもたらす。フォローアップの回数は増えるものの、1回あたりの接触の価値は低下する。メッセージは単調になり、対話はコンサルティング型から取引(トランザクション)型へと変化していく。買い手は、営業担当者自身が気づくよりも前にこの変化を察知するものだ。商談に強引さが出始めると、本来なら心を開いてほしい場面で相手に警戒心を抱かせることになる。社内で「努力」と見なされている行動が、社外からは「焦り」や「必死さ」と受け取られることが少なくない。

モメンタムが結果を左右する

営業はしばしば数合わせのゲームとして扱われるが、大半のチームが想定している以上にモメンタム(勢い)が果たす役割は大きい。それは行動量に代わるものではないが、その行動の費用対効果を大きく変える。努力が実を結ぶか、それとも空回りで終わるかの分かれ目は、多くの場合このモメンタムにある。

商談が動き、成約が続くと自信が生まれる。会話の質は向上し、フォローアップはより効果的になり、意思決定は明確に行われる。しかし商談が停滞し始めると、営業担当者は自らのアプローチを疑い始め、コミュニケーションの精度は落ちる。チームはより懸命に働いているのに、その仕事の質は低下し始めるのだ。

ここでよく見られるパターンが、既存のパイプライン(案件)への過度な集中だ。営業担当者は、既存の案件を何度も見直したり、戦略を調整したり、すでに動いている商談を何とか前に進めようとすることに多くの時間を費やすようになる。この仕事は目に見えやすく、潜在的な売上に直結しているように感じられるため、生産的であるように思えてしまう。その結果、長期的な成長により大きな影響を与える新規パイプラインの創出が疎かになりがちだ。

新規案件が絶え間なく流入してこなければ、チームは当初期待していたほど確度の高くない案件に依存せざるを得なくなる。限られたパイプラインに対してどれだけ熱心に取り組んでも、パイプライン自体が拡大することはない。不確実だった案件に対して、さらにプレッシャーをかけるだけに終わる。

すべてのハードワークが売上につながるわけではない

大半の営業組織において「懸命に働いている」とされる業務の大部分は、実は販売活動とは無関係だ。CRM(顧客関係管理)の更新、社内の承認プロセス、進捗確認ミーティング、事務作業などは、すべて避けて通れない業務であり、日々の業務の大部分を占めている。こうした仕事で1日の大半が埋まってしまうと、実際の営業活動は残されたわずかな時間に押し込められることになる。このような環境で必要な対策は、メンバーにさらなる労働を求めることではなく、貴重な時間を奪っている摩擦を取り除くことだ。

システムが努力の行き先を決める

すべての営業チームは、努力がどこに向かうかを決定づける構造(システム)の中で動いている。期待される役割が明確に定義されていないと、営業担当者は安全だと感じられる行動に流れてしまう。新規開拓をする代わりに、既存の顧客を再び訪ねる。理想的な顧客プロファイル(ICP)に合致する買い手にアプローチする代わりに、見込みの薄いリードにフォローアップを続ける。プロセスが複雑すぎると、標準的な値引きに2日間の承認プロセスが必要になり、商談の途中でその勢い(モメンタム)が削がれてしまう。優先順位が設定されていなければ、すべての四半期末が同じ結末を迎えることになる。すなわち、適合性に関係なく、何でもいいから成約させようと大慌てで駆けずり回るのだ。

これを解決するには、モチベーションを高めるための話し合いだけでは不十分だ。システムそのものを調整する必要がある。まずは以下の点から始めるとよい。

決まったスケジュールで新規パイプラインを創出する。 既存のパイプラインが立て込んでくると、真っ先に削られるのが新規開拓の活動だ。これは誤りである。一貫性があり、体系化されたアウトバウンド活動は極めて重要だ。毎週の新規アウトリーチの基準を設定し、それを死守すること。今日創出したパイプラインが、次の四半期の成約につながる。

ICP(理想の顧客プロファイル)を定義し、それを徹底する。 見込み客の対象が広すぎると、行動量の問題が生じ、それが一見パフォーマンスの問題のように見えてしまう。企業の規模、業界、意思決定者のプロフィール、購入のトリガー(契機)を具体的に特定すること。これらを選定基準に組み込み、最初から適合しない案件にチームが時間や労力を浪費するのを防ぐ必要がある。

買い手の課題を起点にする。 製品ファーストのメッセージは無視される。課題ファーストのメッセージこそが反応を得られる。自社の最も優良な顧客が購入前に抱えていた課題をベースに、自社のアウトリーチ活動を検証すること。最も説得力のある言葉は、そこから生まれる。

摩擦を排除する。 初回面談から成約に至るまでのステップを可視化(マッピング)する。長期にわたる承認サイクル、曖昧な次のステップ、販売活動の向上につながらないCRMの入力規則など、どこで時間が失われているかを特定する。社内プロセスに費やす1時間は、売上を生まない1時間だ。商談の進展に寄与しないものは排除すること。

これら4つの要素が噛み合ったとき、努力は散逸するのをやめ、相乗効果を生み出し始める。これを実践できているチームは、必ずしも他者より多くの仕事をこなしているわけではない。しかし、彼らは努力を成果に変換するために構築された構造の中で動いている。

売上の伸びが停滞するのには理由があり、その原因が努力不足であることはほとんどない。成約に至らなくなったとき、自然な反応として、チームの目の前にあるものに対してさらに強いプレッシャーをかけようとしがちだ。停滞しているパイプラインへのフォローアップを増やし、ICPのフィルターを通さないアウトリーチの量を増やし、販売活動とは何の関係もない事務作業にさらに多くの時間を費やす。しかし、根底にある問題が解決されないままでは、停滞はさらに悪化する。

解決策は構造的なものだ。それは、新規開拓の時間を確保する、ICPを厳格にする、買い手の実際の課題に合わせてメッセージを検証する、そしてプロセスの摩擦を取り除く、という具体的な決定から始まる。停滞から脱却できるチームとは、自分たちの努力が実際にどこに向かっているかを見極め、売上を動かす要素を中心に構造を再構築できるチームなのだ。

forbes.com 原文

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