ゼロ知識証明で身元を管理、開示範囲は利用者自身が選択
プライバシー機能と法令順守を同時に組み込めるかは、業界各社も向き合う問いである。「私は常に、プライバシーと匿名性はまったく別のものだと考えている」。Concordium(コンコーディアム)の最高成長責任者バルン・カブラは「On The Margin」で語った。
Concordiumは本人確認情報をネットワークへ組み込み、身元情報を明かさず、条件を満たす事実だけを示す「ゼロ知識証明」を使う。「選択的に情報を開示でき、ゼロ知識証明も使うため、誰にも本人だとは分からない」。American Fortressも同じ考えに立つ。
カブラは法令順守との関係も同じように説明した。「何を誰へ開示するかは自分で決められるが、法律という制約内で行う。誰も法を超えてはならない」。
投票機調査で抱いた疑問、取引記録にも正しさの証明を要求
システムは自らの正直さを証明すべきだというポスピエシャルスキの信念は、暗号資産以前からのものだ。自らを、善意の目的で脆弱性を調べるホワイトハット・ハッカーと呼ぶ彼は、選挙技術を研究するElection Science Instituteで最高技術責任者を務め、2006年ごろにES&S製iVotronic電子投票機を分析した。各票が重複も漏れもなく1回だけ集計されたことを、暗号技術で証明する仕組みが投票機にはないと警告した。
「投票集計者であるあなたは、私の票を数えたこと、二重に数えていないこと、あるいは少なく数えていないことを私に証明できない」と彼は語った。「証明できない」。
ポスピエシャルスキは後に、2020年米ミシガン州アントリム郡で争われた訴訟において、原告側からデジタル記録の鑑定を請け負った。本人の説明によれば、問題は候補者や投票項目を定める設定ファイルの誤設定が原因だった。超党派による手作業監査も設定ミスと判断し、訴訟を扱った各裁判所も同じ説明を受け入れた。訴えは棄却され、選挙不正は1度も立証されなかった。
現在、資金提供を受ける各対策も、長期保有者が本当に知りたい問いには答えない。金取引を事業とするマカルバニーは、ビットコインが5000年後も残るかと問う。
「金は残ると、かなり確信している。ビットコインは、残るかもしれないし、残らないかもしれない」。


