暗号資産

2026.08.03 11:30

「ビットコインの終焉」を巡る耐量子技術の攻防──約73兆円は守られるか

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利用者が暗号方式を選択、BOLTSが耐量子試験を実施

BOLTSのアウの答えは、暗号方式の選択をチェーンではなくユーザーに委ねることだ。「自分の錠前を持ち込み、自分の錠前を選ぶ」と語った。BOLTSは米国立標準技術研究所(NIST)のポスト量子暗号研究者に対し、取引ごとに暗号方式を選ぶ仕組みを実演し、2025年12月にはCanton Networkで、量子攻撃への耐性を検証する実証実験を行った。NISTは2024年8月、最初の3つのポスト量子標準を最終決定している。

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量子攻撃に弱い署名を段階廃止、移行しない休眠ビットコインは使用不能へ

ビットコイン開発者の間では、量子コンピューターによる秘密鍵解読と資産盗難をどう防ぐかを巡り、意見が分かれている。

Hunter Beast(ハンター・ビースト)らが起草した提案「BIP-360」は、現在のTaprootで使える、公開鍵に対応する署名だけでビットコインを動かす方法を外し、新しい送金先形式「P2MR」を加える案だ。送金先を作る時点では公開鍵を記録せず、ビットコインを動かす条件から作った短いデータだけを残す。

この仕組みは、公開鍵が送金前から見えるアドレスを量子攻撃者が長時間狙う危険を減らす。送金手続き中に初めて公開鍵が見える短時間を狙う攻撃には、量子計算へ耐える署名方式が別途必要になる。

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もう1つ、Jameson Lopp(ジェイムソン・ロップ)と5人の共著者による「BIP-361」は、量子攻撃に強い新しいアドレス形式が実装された後、現在使われるECDSAとSchnorr署名を段階的に廃止する案だ。第1段階では量子攻撃に弱い送金先へ新たな資金を送れなくし、第2段階では従来方式の署名でビットコインを動かす際、正当な所有者しか示せない追加情報を求める。

保有者が量子攻撃に強いアドレスへ移さなかったビットコインは、サトシ・ナカモトが保有するとみられる長年動いていない分も含め、追加情報を示せなければ動かせなくなる。支持者は、将来現れる攻撃者に奪われ、市場へ投げ売りされるより凍結した方がよいと主張する。批判側は没収だと呼ぶ。

暗号資産「ALGO」を使うパブリックブロックチェーンAlgorandは2022年から、取引履歴が正しいと外部へ示す仕組みに、量子計算へ耐えるFalcon署名を使っている。耐量子署名を採用したQuantum Resistant Ledgerと上場企業BTQ Technologiesも、別方式で同じ課題に取り組む。

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