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欧州

2026.08.04 09:30

ウクライナ侵攻で塗り替えられた世界のエネルギー地図 ロシアは信用失墜

ロシアの首都モスクワで、ウクライナ軍の無人機攻撃を受けて火災が発生した製油所。2026年6月18日撮影(Sefa Karacan/Anadolu via Getty Images)

ロシアの首都モスクワで、ウクライナ軍の無人機攻撃を受けて火災が発生した製油所。2026年6月18日撮影(Sefa Karacan/Anadolu via Getty Images)

過去10年にわたり、欧州に対して天然ガスを武器として利用してきたエネルギー大国ロシアは現在、燃料不足が深刻化し、国内で燃料配給制を実施している。ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島では非常事態宣言が出されたほか、その他のウクライナのロシア占領地域でも、状況の悪化から避難する市民が後を絶たず、十分な物資の確保に苦慮している。ウクライナ軍によるロシアの製油所や石油貯蔵施設、物流網に対する無人機(ドローン)とミサイルによる攻撃は、同国の戦争遂行能力と国内の安定を維持する能力に深刻な打撃を与えている。決定的な転換点にはまだ達していないものの、勢力均衡はウクライナ側に傾きつつある。

戦争の最終的な結果は、ロシア軍の著しい戦力不足によって大きく左右されるだろう。ロシア経済の行方は、さらに読みやすい。ウラジーミル・プーチン大統領は権力の座にしがみつくかもしれないが、その足元でロシアの経済基盤は崩壊しつつある。たとえロシアが現在占領しているウクライナの領土を維持したとしても、軍事侵攻によって生じた人的被害や財政上の損失、外交的孤立、産業の衰退を正当化できるほどの利益はまず得られないだろう。

より根本的な問題は、戦争がどのように終結するかではなく、銃声が止んだ後のロシアがどのような姿になるのかという点にある。世界最大級のエネルギー輸出国であるロシアで不安定な状況が長期化すれば、ベトナムからアイルランドに至るまで、投資や物資の流れや原油価格の動向に大きな変化が生じるだろう。戦場にばかり目を向けている政策立案者は、既に始まっている経済の変化を見落としている。

EU、中国、インドの動向

たとえ戦後に制裁が解除されたとしても、供給国としてのロシアの評判は、投資家にとって大きな懸念材料になるだろう。長年にわたりロシア最大のエネルギー輸出先だった欧州連合(EU)は、エネルギー消費の節約や供給源の多様化、液化天然ガス(LNG)の輸入を通じて、ロシア産パイプラインガスへの依存を劇的に低減させてきた。2025年時点でも、ロシアは欧州のガス供給量の約12%を占めていたが、EUは2026年1月、ロシアからのガス輸入を段階的に減らすと宣言し、2027年末までに完全に停止する計画だ。EUは、かつて欧州がロシア国営天然ガス企業ガスプロムの人質となったような不利な状況の再現を望んでいない。

米国は欧州にとって最大のLNG供給国となり、EUが第1四半期に輸入したLNGの約63%を占めた。意外なことに、2位はカタールではなくロシアで約13%を占め、ナイジェリアが湾岸諸国を抜いて3位となった。カタールの順位はホルムズ海峡の情勢と密接に結び付いている。エネルギー輸送の要衝である同海峡が確実に再開すれば、欧州へのLNG供給を巡る競争は激化するだろう。そのような状況下では、商業的な論理から、ロシア産ガスが市場の一部に戻ってくる余地がわずかに生まれる可能性はあるが、同国の復帰には制裁のほか、設備の不足や停戦だけでは解消されない根強い政治的抵抗が立ちはだかるだろう。

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翻訳・編集=安藤清香

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