これがとくに懸念されているのは、多くの大学にとって留学生は財政面で欠かせない存在だからだ。留学生は一般に授業料を全額負担し、場合によってはそれ以上を支払う。留学生は毎年、数十億ドル規模の経済効果を米国にもたらしているほか、人口動態の変化による国内学生の減少を補う一助にもなっている。
留学希望者たちが卒業後に米国で働くのはあまりにコストや不確実性が高すぎると判断した場合、その多くは単純に別の国を進学先に選ぶだろう。
ドイツ、韓国、日本といった国々の大学は英語で学位を取得できるプログラムを拡充していて、留学生が卒業後に現地で就職しやすいように制度を整備している国もある。こうした政策により、これらの国々は米国に代わる魅力的な留学先として存在感を高めつつある。
高等教育を超えて広がる影響
影響は大学にとどまらない。米国のテクノロジー企業や金融機関、エンジニアリング関連企業は長年、国内の大学を、高度な技能を持つ外国人材の供給源として頼りにしてきた。多くの企業はまずOPTを利用して留学生を採用し、その後、専門職向けの就労ビザ「H-1B」のスポンサーになって雇用を継続する。
トランプ政権は以前、H-1Bビザの取得に手数料として10万ドルを課す措置を講じたが、これは裁判所によって無効とされた。WSJによると、今回の案は以前の措置と実質的に同様の目的を果たすことになる。雇用主側、とりわけテクノロジー企業は、外国人卒業生はエンジニアリングやコンピューターサイエンスなど技術分野の深刻な人材不足を補い、米国のイノベーションに貢献していると訴えてきた。
国土安全保障省は現在、OPT制度の広範な改正も準備しており、早ければ今秋にも公表する見通しとなっている。またトランプ政権は7月、OPTを利用する留学生は新たにビザの延長を申請する必要があると発表した。これまではD/S制度で留学期間から就労許可期間までが自動的にカバーされていたが、この仕組み自体を廃止した。
10万ドルの手数料案が政府内の審査を通過するかどうかは不透明だ。しかし、こうした手数料が導入される可能性があるだけでも、国際的な競争が厳しくなるなかで留学生を誘致しようとしている米国の各大学はさらに懸念を強めることになるだろう。


