多くの起業家が、自らのキャリアを目的もなく漂流している。彼らはビジネス系の学位を取得し、我慢できる程度の仕事に就いた。その梯子がどこに続いているのかを自問することなく、ただ上ってきた。そしてある日、ふと周囲を見渡し、自分が他人の夢を築き上げていたことに気づくのだ。
売却(エグジット)した企業を含め、自らビジネスを15年間経営してきた私は最近、自分が誇りに思える成果を実際に達成した瞬間は、決して偶然ではなかったことに気づいた。パワーリフティングの大会に出場したときも、ノマド生活を始めたときも、2社目の会社を立ち上げたときも、偶然成功に突き当たったわけではない。自らそれを手繰り寄せたのだ。
あなたにも同じことができる。最大の目標を現実のものにするための手法が存在する。私はそれを「CLAIMS」と呼んでいる。これはがむしゃらに働いたり、歯を食いしばったりすることではない。これ以上努力を重ねたり、抵抗を押し切ったりする必要もない。それでも、見事なまでに効果を発揮する。
このフレームワークは、努力を「確信」へと置き換える。何かを「望む」状態から、それを「手にしている」状態へと移行するのだ。
1. Clarity:明確さ(望むものを明確にする)
意図をすでに実現したかのように宣言する
自分が望むものを極めて具体的に特定する。曖昧な願望ではなく、明確で測定可能な結果だ。「もっとお金を稼ぎたい」よりも「年商500万ドル(約8億100万円)のビジネスを所有している」の方が優れている。この違いが重要なのだ。脳は、曖昧な目的地へのロードマップを描くことはできない。
自身の意図をアファメーション(肯定的な自己宣言)として書き出す。現在形、かつすでに実現しているものとして書くのだ。「私は収益性の高いSaaS企業の創業者だ」あるいは「私はベンチプレスで160kgを持ち上げる」といった具合だ。私が自身の代理店を売却すると決めたとき、自分宛てに小切手を書いた。正確な金額。完璧な買い手。署名をし、日付を書き入れた。やがて、現実は私がすでに宣言していた通りになった。
あらゆるものに「あるいは、それ以上の何か」を付け加える
人は、自分がすでに知っていることに限界を設けがちだ。過去の経験や現在の理解力。想像力には限界がある。自分の認識のすぐ外側に素晴らしいものが存在しているにもかかわらず、単に「良いもの」を目指してしまっているのかもしれない。
かつて私は、あるポッドキャストの共同ホストを務める機会を得ようとした。それを獲得する様子をイメージし、相手の同意を思い描いた。そして、頭の中の予行演習に「あるいは、それ以上の何か」という言葉を付け加えた。結果として、その機会は得られなかった。しかし代わりに、はるかに大きな番組で、別の共同ホストの機会が舞い込んできた。宇宙は、私が求め方すら知らなかったアップグレードをもたらしてくれたのだ。
2. Learn:学習(成功がどのような感覚かを知る)
身体に感情を通じて教え込む
目を閉じ、目標を達成した自分を思い描く。それを身体で感じるのだ。姿勢が良くなり、自信、満足感、そして安堵感が湧いてくることに気づくだろう。ジョー・ディスペンザ博士はこれを、それがどのような感覚なのかを「身体に感情を通じて教え込む」ことだと呼んでいる。
アスリートはこれを絶えず行っている。ポーラ・ラドクリフは、マラソンで優勝する様子を極めて詳細にイメージしていた。フィニッシュライン、タイマー、観客、そして体に掛けられるアルミブランケット。彼女は勝利のあらゆる感覚を、それが実現する前に感じ取っていた。彼女の身体は成功を認識することを学習した。彼女の世界記録は16年間破られなかった。
感覚を通じて確信につなげる
瓶の蓋を開けるときのことを考えてほしい。開けられるよう願うのではなく、ただ開ける。それが「知っている(確信している)」というエネルギーだ。他人が開けられなかった瓶を開けたことはないだろうか。それは、その人が疑いを持って向き合ったからだ。あなたは確信を持ち込んだのだ。
最大の目標にも、それと同じエネルギーを注ぐべきだ。私がパワーリフティングの大会に向けて準備をするとき、重いウエイトを持ち上げようと「努力する」ことはない。持ち上げられると「分かっている」のだ。バーに触れる前に、私の身体はウエイトが動くのを感じている。その確信が現実を作る。
3. Assume:想定(すでに真実であると見なす)
すでに手に入れているかのように振る舞う
もしすでに目標を達成していたら、どのような行動をとるだろうか。それこそが、今取るべき行動だ。すでに数百万ドルを手にしている人は、10ドル(約1万未満円)のコーヒーに頭を悩ませない。すでに健康で引き締まった身体を持つ人は、ジムをサボらない。アイデンティティが行動を決定づけるのだ。
お金がないかのように常に語る人は、その現実を補強し続けている。彼らは富裕層を強欲だと考え、富は自分とは無縁のものだと言う。そして、なぜお金が手に入らないのかと不思議がる。その筋書きを逆転させるのだ。お金は簡単に手に入る。自分は常に価値を提供する手段を見出している。何が起こるか見てみるといい。
アイデンティティに行動を促させる
自分が200kgを持ち上げる人間だと想定していれば、150kgなど怖くはない。確信を持ってバーに向かうことができる。収益性の高いビジネスを経営していると想定していれば、対等な立場で会議に臨むことができる。必死になることも、自分を証明しようとすることもない。ただ、自信に満ちた協働があるだけだ。
小学校のクラスにいた、レナという女の子をよく観察していた。彼女には私にない自信があった。そこで、私は彼女のように振る舞い始めた。歌い、踊り、誰がどう思おうと気にしなかった。やがて、私はレナの真似をする必要がなくなった。私自身が自信に満ちた存在に変わっていたからだ。「できるまでそのふりをしろ(Fake it till you make it)」という言葉は、本当に効果がある。
4. Imagine:想像(鮮明に思い描く)
実現するその瞬間を克明に描く
頭の中でその場面を思い描いてみる。すべてだ。場所、音、周囲の人々。身にまとっている衣服。足の裏に感じる床の感触。画像編集ソフトで合成写真を作れるほど、詳細に描き出すのだ。
代理店を経営し始めて数年が経ったころ、私は5週間に及ぶオーストラリア旅行の終わりにいる自分を視覚化した。ビジネスは私なしで回り、何の問題も起きなかった。またそれを行うことができた。そのビジョンは抽象的なものではなかった。オーストラリアに関する動画を観て、自分がその飛行機に搭乗するのを感じた。それが現実になったとき、私はすでに頭の中でそれを体験していたのだ。
五感のすべてを働かせる
目で見て、耳で聴き、匂いを嗅ぐ。ベンチプレスの国際大会で優勝する様子を視覚化するとき、私は「英国国歌の吹奏です。ご起立ください」というアナウンスを聴く。表彰台を思い描き、メダルの重みを感じる。音は私を感情的に結びつける。あなたにとっての成功は、重要な会議の前のコーヒーの香りかもしれない。効果のある感覚のトリガーは何でも利用するのだ。
成功した姿を印刷する。自分のポッドキャストがトップ10チャートに入っている画像を加工して作る。目標額が印字された銀行口座のモックアップを作る。その画像を、毎日目にする場所に置く。パソコンのデスクトップや壁だ。未来を現在のものとして感じさせるのだ。
5. Meaning:意味(自分自身を超える意味)
目標をより大きな何かと結びつける
自己実現は素晴らしい。しかし、自己超越はさらに素晴らしい。マズローは晩年、欲求階層説の最上位にこれを置いた。目標は自分自身のためだけのものであってはならない。鏡に映る自分以外の、より多くの人々にとっても重要である必要がある。
あなたがスポーツでの目標を達成すれば、他の人々も自分にできると信じられるようになる。あなたがビジネスを立ち上げて売却すれば、他の起業家たちにその道筋を示すことができる。あなたの成功は、他人に許可を与える。それこそが、達成を有意義なものにする波及効果なのだ。
超越的な「なぜ(目的)」を見出す
かつて私はアーノルド・スポーツ・フェスティバルに出場した。トレーニングの調子は最悪で、予定していた2回目と3回目の試技で失敗を繰り返していた。しかし、家族や親友、チームが応援に来てくれた。突然、自分が持ち上げられることを証明するだけの場ではなくなった。父が誇らしげに「あれは私の娘だ」と言い、妹が「あれは私の姉だ」と言うための場になったのだ。私は3回すべての試技を成功させた。アイデンティティがパフォーマンスを解き放ったのだ。
あなたの成功は、世界にとってどのような意味を持つだろうか。人気のポッドキャストを立ち上げれば、何百万人もの人々が他では得られない洞察を得ることができる。ビジネスの規模を拡大すれば、チームが繁栄する。そのより大きな目的と結びつくことで、努力がフロー(没頭)へと変化していく様子を見届けよう。
6. Sync:同調(新たな現実に波長を合わせる)
安堵と感謝の念に落ち着く
何かを手にしていると分かっているとき、人は安堵を覚える。あくせくすることもなく、ただ願うのでもなく、ただ「分かっている」のだ。それこそが、今あなたが体現すべきエネルギーだ。あなたはお金を手に入れようとしているのではない。すでに持っているのだ。成功しようとしているのではない。すでに成功しているのだ。
先ほどの瓶を開ける話を思い出してほしい。瓶が開いたからといって、お祝いをすることはない。ただ、サンドイッチを作る作業に戻るだけだ。それこそが、目標に対して持つべき関係性だ。落ち着いていて、確実であり、すでに完了している。
兆候や裏付けを探す
望むものを明確にし、確信に基づいて行動するとき、宇宙はあなたにウインクを送る。いたるところに兆候が見られるようになる。誰かが、まさに自分が考えていたことを口にする。チャンスが現れる。扉が開く。多くの人は、スマートフォンを眺め、次のことや新しい刺激を追い求めているため、これらの裏付けを見逃してしまう。
注意を払うことだ。現実が自らのビジョンと合致する瞬間に気づくのだ。あなたが想像したフィードバックが、現実の形となって現れる。必要としていた紹介を、誰かがしてくれる。これらは偶然ではない。自分が正しい道を歩んでいるという裏付けなのだ。そのプロセスを信頼し、進み続けよう。
努力せずに目標を手繰り寄せる方法:成功への6つのステップ
「CLAIMS」のフレームワークは、がむしゃらな努力を確信へと置き換える。意図を明確(Clarify)にし、成功の感覚を学習(Learn)する。すでに真実であると想定(Assume)し、鮮明に想像(Imagine)する。自分自身を超える意味(Meaning)に結びつけ、安堵と感謝に同調(Sync)する。
明確なアファメーションを書き出す。目を閉じてそれを感じる。すでにそれを手にしている自分自身のように振る舞う。達成するその瞬間を思い描く。それがどのように他者の役に立つのかと結びつける。すでに完了しているという確信に落ち着く。そして、何が起こるかを見届けるのだ。



