経営・戦略

2026.08.03 12:30

AI投資企業で「新卒採用が12%」増加、意外だが納得の理由 米国

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AIが存在するなかでも、雇用主がエントリーレベルの採用を増やす理由

上で挙げた企業の労働市場とAI導入の分析から、ひとつの結論が導き出される。AIがエントリーレベルの仕事を消し去るかどうかという問いは、雇用主がAIをどのように実装するかという決断にすべてかかっている、ということだ。

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これには2つの要素がある。

第1の要素は、雇用主がAIにどれだけ投資しているかだ。Rampの調査では、AI導入によって従業員数の増加を実現した上位3分の1の企業は、報告書の言葉を借りれば「高強度」で導入した後にのみ、それを実現していた。「高強度」とは、最初の3カ月間に従業員1人あたりの月間AI関連支出が大きい企業を指す。

「これらの企業は複数のモデルに投資しており、単純なチャットのサブスクリプションではなく、利用可能ななかで最も先進的で生産性を高める製品(コーディングエージェントやAPI)を使用している企業だ」と報告書は指摘している。

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第2の要素は、雇用主がAIをどのように実装するかを決める際、企業が業務をどのように再設計するかだ。これがエントリーレベルの求人増加につながる。もし新たに社会に出る世代や将来世代が、長期的なキャリア目標への意味ある道筋を得られるようにエントリーレベルのキャリアを守っていくのなら、一定レベルの意図性が必要となる。

筆者が繰り返しアドバイスし、AIによる人員削減に関する前回の記事でも述べたように、職務を廃止してエントリーレベルの仕事を一律に削減するという安易な道を選ぶのではなく、AIが存在する現代においてエントリーレベルの仕事がどのようなものであるべきかを意図的に再設計し、再考することによって、成長途上の労働力を保護することは、すべての雇用主の社会的責任である。

再びBrainlabsを例にとると、同社が新たなエントリーレベルの労働者を採用できたのは、時代の先端スキル(この場合はAIスキル)を持つ若手人材を特化して育成する2年間のプログラムを用意しているからだ。「エントリーレベルの採用を縮小、または凍結しよう」と言う代わりに、この雇用主はキャリア初期の人材を成長させ、DX(デジタルトランスフォーメーション)から確実に保護するためのシステムを意図的に構築した。

この逆説的な効果は、「ジェボンズのパラドックス」として最もよく説明できる。技術的な破壊的変化によってある資源の効率が高まると、需要が減少するのではなく、その資源の価値が高まり広く利用されるようになるため、結果として消費量が増加するという現象だ。

これこそが、まさにここで起きていることだ。AIはジェボンズのパラドックスを引き起こしている。なぜなら、エントリーレベルの採用需要を急増させているからだ。ただし、それはAIを中心に仕事を再設計し、エントリーレベルの戦略について意図的な計画を持ち、従業員がAIを導入できるように多くのリソースを活用している組織に限られる。

したがって、「AIはエントリーレベルの仕事を減らしたり、削減したりしているのか」という問いに対する答えはノーである。筆者は、AIがエントリーレベルの仕事に対する現実的な脅威だとは思わない。

脅威となるのは、雇用主が社会を念頭に置いて行動しない場合だけだ。そして、新卒者やエントリーレベルのプロフェッショナルが、2019年の卒業生と同じ考え方で求人市場に臨む場合、エントリーレベルのキャリアに対する時代遅れのアプローチは、時代遅れの結果をもたらすことになる。

誰も採用されなくなってしまうのだ。

forbes.com 原文

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