4.「急いでください」は、前置き一つで角が取れる
相手に急かすとき、つい
✕ Hurry up.
と言ってしまいがちですが、これは直接的で、相手にプレッシャーを強く与えます。とくに目上の人や取引先に使うと失礼になります。
〇 I hate to rush you, but we're on a tight deadline.(急かして恐縮ですが、締め切りが迫っていまして)
「急かして申し訳ないのですが」と配慮を示す前置きです。また“Would it be possible to prioritize it?”(優先していただくことは可能ですか?)は相手に“No”と言える余地を残すので、丁寧に響きます。
5.「前向きに検討します」は、英語にすると意味不明
「コストを削減できますか?」と聞かれたとします。その時に、
✕ I think positively.
と、日本語の「前向きに検討します」の直訳をそのまま英語にしても意味がぼやけてしまいます。これは「私は(いつも)前向きに考える人間です」という意味で、ネイティヴの耳には、「どういうこと?」「結局できるの? できないの?」「何を答えているのか曖昧」。日本語では機能する婉曲表現が、英語では単に情報量ゼロの返答になってしまうのです。
〇 I'll do what I can.(できる限りやってみます)
「やる方向で動くものの、必ず実現するとは約束できない」というニュアンスが、過不足なく伝わります。真剣さを強調したいなら“I will give it serious consideration.”(真剣に検討します)、その場で即答できないなら“I'll look into it.”(調べて確認してみます)。
6.「お名前は?」は聞き方で失礼になる
相手の名前を尋ねるとき、
✕ What's your name?
日常では使われないこともありませんが、地位や年齢が上の人、ビジネス上の相手にいきなり使うと失礼に聞こえます。「子どもに聞くみたい」「唐突に聞かれた感じ」という反応です。
〇 Could I ask your name?(お名前をお聞かせいただけますか?)
“Could I ...?”は丁寧に許可を求める言い方で、礼儀正しく聞こえます。改まった場面では“May I ...?”が安心。相手の判断や承認を尊重するという含みがあります。
7.「よろしくお願いします」を“Please.”と訳す悲劇
新しくチームに加わった相手に、
✕ Please.
と言ったとしたら。「どうぞよろしくお願いします」を“Please.”と訳すのは完全な誤りです。日本語の「よろしく」が持つ「これからの関係への期待と礼節」がまったく伝わらず、「この人、何が言いたいんだろう?」で終わってしまいます。
〇 I'm looking forward to working with you.(一緒に仕事ができるのを楽しみにしています)
「よろしくお願いします」に相当する英語としては、これが最もよく使われます。迎える側なら“Welcome aboard!”(仲間として迎え入れるニュアンス)や“We're glad to have you.”も好印象です。


