経営・戦略

2026.08.02 10:23

採用の失敗を防ぐ、面接での「危険信号」の見極め方

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最も危険な有害候補者とは、面接中に「前の上司はバカだった」などと堂々と不満を並べるような人物ではない。そうした人物は、たいていの面接官が特別な助けを借りずとも不採用にできる。

より厄介なのは、一見すると前向きで、主体的、協調性があり、自己分析もできているように見えるケースだ。しかし、その洗練された話しぶりのすぐ下には、恨みや責任転嫁、否定的な態度、そして当事者意識の欠如が潜んでいる。

有害な候補者が面接を通過してしまう理由

新規採用に関する画期的な調査「Why New Hires Fail(なぜ新入社員は失敗するのか)」では、2万人以上の新規採用者を追跡調査した。そのうち46%が18カ月以内に失敗したという統計は、おそらく耳にしたことがあるだろう。あまり引用されないが、はるかに重要なのは、そうした失敗の89%が技術的なスキルの不足ではなく、態度や姿勢に起因しているという点だ。

指導を受け入れる素直さがなかったり、心の知能指数(EQ)が不足していたり、組織の風土に合わない気質を持っていたり、適切なモチベーションが欠けていたりしたのだ。

そして、ここに冷徹な統計データがある。「Hiring For Attitude(態度を重視した採用)」の調査において、採用マネージャーたちにこうした不適切な採用を振り返ってもらったところ、82%が「面接中に兆候があった」と回答した。候補者が特定の言葉を使っていた(あるいは避けていた)、以前の同僚を独特な方法で描写していた、あるいは今思えばその後に起こるトラブルを正確に予言するような回答をしていたのだ。

つまり、採用マネージャーたちは兆候を耳にしていたものの、それが何を示しているのか分かっていなかったのだ。

ステップ1:失敗について質問し、あとは口を挟まない

有害になり得る候補者を見抜くための最もシンプルな質問の1つは、次のようなものだ。「仕事でミスをしてしまった時のことについて教えていただけますか」

質問はこれだけだ。「大きなミス」や「重大な失敗」、「これまでのキャリアで最悪の過ち」について尋ねているのではない。そうした修飾語をつけてしまうと、候補者が一言も発する前に、回答の方向性が決定づけられてしまうからだ。

例えば、候補者がこう答えたとする。「大したことではないんですが、一度、給与計算を間違えて入力してしまい、全員の支払いが2日遅れたことがありました」。ミスそのものも明らかに問題だが、全員の給与支払いを遅らせたことを「大したことではない」とする候補者の認識も重要だ。質問をオープンエンド(自由記述式)にしておくことで、本人が自分の行動の重大性をどのように判断しているかを知ることができる。

また、「それで、どのように解決したのですか」や「その経験から何を学びましたか」といった余計な問いかけを付け足して、質問を台無しにしないことだ。

Words That Ruin Behavioral Interview Questions(行動面接の質問を台無しにする言葉)」に関する報告書によると、大半の面接官は、親切で対話的な印象を与えるためにこうした一言を付け足してしまうという。残念ながら、これは「正しい答え方」を候補者に教えてしまうため、質問が持つ「本音を引き出す力」を奪ってしまう。ストーリーには解決策、教訓、そしておそらくハッピーエンドが含まれるべきだと候補者に伝えてしまっているのだ。普段はミスを否定したり他人のせいにしたりする人であっても、この瞬間にどのような自分を演じるべきかを正確に理解してしまう。

ミスについてのみ尋ねると、まったく違う力学が生まれる。あなたは候補者に、ネガティブな経験を振り返るよう促し、その話をどう展開するかを彼ら自身に委ねることになる。

中には、ミスを認め、何が起きたかを説明し、その後何を学びどう変わったかを自発的に語る候補者もいるだろう。一方で、指示が不明確だった、コンピュータが誤作動した、部署の人手不足だったなど、ミスが自分のものではないと言い訳することに大半の時間を費やす候補者もいる。それらの説明の一つひとつは事実かもしれないが、当事者意識を持たずに言い訳を繰り返すパターンが見られる場合は警戒すべきだ。

ミスに関する質問は、候補者のネガティブな本音を引き出しやすいため、有害さを見抜く上で特に有効だ。候補者が前のボスのことを説明するうちに再び怒りがこみ上げてきたり、同僚の能力を軽んじたり、自分は滅多に(あるいは一度も)ミスをしないと言い張ったりすることがある。このような情報は、誇れる実績や成功したプロジェクトについて尋ねているときには、決して出てこないものだ。

もちろん、ネガティブな経験を語ること自体がその人を「有害」にするわけではない。誰しも、相性の悪いマネージャーの下で働いたり、機能不全に陥ったチームに所属したりした経験はあるものだ。懸念すべきなのは、すべてのミスが他人のせいにされ、何年も前のネガティブな経験に対して今なお恨みを抱き続けている場合である。

ステップ2:実際に起きた「具体的な出来事」を聞き取る

具体的な経験を求めた後、候補者が実際にそれを提示しているかどうかに注目しよう。

優秀な人材は通常、自らの実績について詳細なストーリーを持っている。その経験を実際に生き、何が起きたかを覚えているからだ。顧客のこと、課題、電話をかけた相手、途中で犯したミス、そして最終的な解決策について語ることができる。名前や時系列を思い出すために言葉を詰まらせることはあっても、彼らの回答には、経営学の教科書ではなく「実際の記憶」と感じられるほどの細かなディテールが含まれている。

The 7 Words That Predict Bad Hires(不採用を予測する7つの言葉)」という調査では、2万572件の実際の面接での回答を分析した結果、優秀な候補者とそうでない候補者の言葉遣いには明らかな違いがあることが分かった。優秀な候補者の回答は23%長く、「私」や「私の」といった一人称の言葉が21%多く含まれ、過去形の動詞が38%多く使われていた。

これは、実際に起きた経験を語る人物に期待される通りの特徴だ。「顧客に電話をし、アカウントを確認したところ、請求ミスを発見したため、財務マネージャーに修正を依頼した」といった具合だ。

適切な経験を持ち合わせていない候補者は、物語を語り始めるかのように見せて、いつの間にか過去の出来事から一般的なアドバイスへと話をすり替える。例えば、「顧客が請求上の問題を抱えていたことがありました」と言いつつ、自分が何をしたかを説明する前に、「そのような状況では、マネージャーに相談すべきです」や「同様の事例がどう処理されたかを確認するとよいでしょう」といった具合に話が移行する。候補者は事実の描写をやめ、講義を始めているのだ。

「私は〜した(I did)」と「あなたは〜すべきだ(you should)」の違いは特に重要だ。「私は〜した」は行動の証拠を示す。「あなたは〜すべきだ」は、その候補者が社会的に好ましい正解を理解していることを示しているに過ぎない。この調査では、パフォーマンスの低い候補者の回答には、優秀な候補者の回答と比べて「あなた(you)」という言葉が392%多く使われており、これが分析全体の中で最大の差異であった。

動詞の時制も手がかりになる。実際にあった経験を描写するとき、過去形の言葉(「電話した」「確認した」「依頼した」「発見した」など)は自然と現れる。対照的に、パフォーマンスの低い候補者の回答では、現在形の動詞が104%多く、未来形の動詞が71%多く使われていた。

したがって、回答が主に「〜すべきだ」「私なら〜するだろう」「〜できるだろう」「〜するつもりだ」で構成されている場合、その候補者は実証された行動ではなく、知識や意図を説明している可能性がある。

これは、一度でも「〜だろう」や「あなた」を使ったからといって、その候補者が嘘をついている、あるいは不適切な採用になると断定するものではない。人は、特に緊張しているときには不完全な話し方をするものだ。全体のパターンに耳を傾けよう。候補者が一貫して「自分が何をしたか」を語るのを避け、過去形を使わず、具体的な行動実績の代わりに抽象的な専門知識を並べていないかを見極めるのだ。

洗練された仮定の話は、生々しく整理されていない真実のストーリーよりも、簡単にスマートに聞こえてしまう。これこそが、面接官がこの警告信号を見落としがちになる最大の理由だ。

ステップ3:候補者がどこに責任を置いているかに注目する

機能不全に陥った組織や、悪いマネージャーは実際に存在する。そして、十分なトレーニングやサポート、適切なリソースを与えられない状況に置かれた優秀な従業員も数多くいる。そうした現実を認めるだけで、その候補者が有害になるわけではない。

より本質的な問題は、候補者がその状況の中で、自分がコントロールできた部分を少しでも見出せているかどうかだ。

十分なトレーニングを受けずに仕事を割り当てられた2人の従業員を例に考えてみよう。1人目は、経営陣が必要な教材を提供してくれなかったこと、経験豊富な同僚が誰も助けてくれなかったこと、そして期待値が非現実的だったことを説明することに回答を費やす。2人目は、トレーニングが不十分だったことは認めつつも、経験豊富なオペレーターを探し、マニュアルを読み込み、問題を調査し、あるいは外部の指導を仰いだ方法について説明する。

どちらの候補者も、組織における正当な問題に直面した。しかし、自分がそれにどう対応したかを語っているのは1人だけだ。

常に他人のせいにする人は、出来事が単に自分の身に降りかかってきたかのように語ることが多い。あらゆる困難は他所で発生し、あらゆる期待外れの結果は自分に押し付けられたものだと捉えるのだ。

健全な候補者であっても、前の雇用主を批判することはあり、その批判が完全に正当である場合もある。しかし、彼らはそれでも、自分が何を試み、そこから何を学んだかを説明することができる。

候補者がミスについて語る際、この点は特に重要となる。強い当事者意識を持つ人は、すべての過ちが完全に自分のせいであるかのように装う必要はないが、自分に帰すべき部分を通常は見つけ出すことができる。例えば、指示が不明確だったため、進める前にプロセスを確認すべきだった、と言うかもしれない。あるいは、手一杯になってしまい、より専門知識のある人に相談する代わりに焦って決断を下してしまった、と説明することもあるだろう。

一方で、有害な回答は、自分が形式上は何一つ間違ったことをしていないと証明しようと必死になる。

ステップ4:実績を装った「不満」に警戒する

最も明確な警告信号のいくつかは、一見ポジティブに聞こえる発言の中に紛れ込んでいる。例えば、候補者がこう言うのを想像してみてほしい。「上司は私が問題解決に非常に長けていると知っていたので、私は誰よりも多くの厄介な問題を押し付けられました」

大半の面接官は、上司がこの人物に困難な仕事を信頼して任せていたという「お褒めの言葉」に着目するだろう。しかし、より本質を物語っているのは「押し付けられた」という表現だ。

挑戦的な仕事を任された、あるいは信頼された、と言うこともできたはずだ。しかし彼らは、それらの仕事を自分に課せられた重荷として描写している。自慢と不満が同じ文に同居しているため、不満のニュアンスが見落とされがちになる。

「誰よりも多く」という表現にも注意が必要だ。それが事実である可能性もあるが、有害な候補者は往々にして、自分を「愚か者に囲まれた唯一の有能な人物」や「唯一真剣に取り組んでいた従業員」、「熱心に働く意思のある唯一の人物」として描きたがる。同僚たちは無能なその他大勢として扱われ、本人だけが組織の「報われない英雄」として独り立っているのだ。

以下のような発言を耳にすることがあるかもしれない。

  • 「私はいつも他人のミスの後始末をさせられる役割でした」
  • 「あのチームには、私ほど真剣に仕事に向き合っている人はいませんでした」
  • 「上司は、クレーマー対応ができるのは私だけだと分かっていました」

それぞれの発言にある程度の真実が含まれている可能性はある。しかし、こうしたパターンが複数の回答に見られ、あらゆる実績をアピールするために他人を貶める必要があるのだとすれば、それは重大な警告信号だ。

これまでに失敗したことがない、克服できなかった課題はない、妥当な批判的フィードバックを受けたことがない、と主張する候補者の場合も同様の問題が生じる。面接官はそうした宣言を自信の表れと解釈することがある。特にエネルギーと笑顔を伴って語られる時はなおさらだ。

実際には、意味のあるミスを一つも挙げられない人物は自己認識に欠けているか、あるいは自分のイメージを守ることに固執するあまり、誠実に語ることができないかのどちらかだ。どちらの可能性も、決して心強いものではない。

また、これらの些細な言葉遣いに注意すべき実用的な理由もある。面接とは、候補者が「最高の自分」を演じる場である。彼らはあなたに好印象を与えようと必死になっているのだ。そのような状況下でさえ、恨み、責任転嫁、軽蔑の念が見え隠れするのであれば、入社して6カ月も経った頃には、それがどれほど露骨に現れるかを想像してみてほしい。

有害な候補者が、常に常軌を逸した回答で自らを露呈するとは限らない。むしろ、優秀で前向きに見える一方で、具体的に説明できる実績がなく、認めるべきミスもなく、心から尊敬しているかつての同僚や上司が誰一人いないことを静かに示しているケースが一般的だ。

ストーリーの結末を指示することなく、困難な経験について質問してみよう。そして、その人物が実際に何をしたか、責任をどこに置いているか、あるいは彼らが誇る実績が、ストーリーに登場する他の全員を無能に見せることを前提としていないかに耳を澄ませるのだ。

マーク・マーフィー(Mark Murphy)は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーとなった『Hiring For Attitude(態度を重視した採用)』の著者であり、Leadership IQの創設者である。

forbes.com 原文

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