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2026.08.02 08:57

「グーグルらしすぎる」がゆえに10億ドル(約1600億円)、EUがグーグルに科した不可解な制裁金

Adobe Stock

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アップルのSiri AIは、それほど賢くない。だからこそ、将来のiPhoneではSiriとグーグルの高く評価されているAI「Gemini(ジェミニ)」が組み合わされることになる。

どうやら欧州連合(EU)は、今読んだばかりのこの事実を見過ごしているようだ。ここ数日の報道が示すように、EUは、グーグルが「広く利用されている同社の検索エンジンにおいて、自社のサービスを不当に優遇した」として、同社に10億ドル(約1600億円)の制裁金を科した。

しかし、グーグルの「広く利用されている検索エンジン」が広く利用されているのには多くの理由があり、その一つはグーグルのサービスが他の追随を許さないからだ。言い換えれば、グーグルが自社サービスの露出を控えるのは、自ら「広く利用されている検索エンジン」からユーザーを遠ざけたい場合だけである。

EUの制裁金を深く掘り下げるにあたり、このことを念頭に置いておく価値はある。今回の件は、グーグルそのものの問題というよりも、グーグルの「広く利用されている検索エンジン」において自社の製品やサービスをもっと重視してほしいと望むサードパーティー(第三者)企業の問題なのだ。

だが、サードパーティーに都合の良い話ばかりが通るわけではない。EUの規制当局にしても同様だ。

グーグル以外の企業にとって、同社の「広く利用されている検索エンジン」で優遇されることがこれほど望ましいのは、グーグルが世界中の人々の間で非常に普及しているからにほかならない。つまり、グーグルがグーグルであり続けるためには、無数の選択肢を持つユーザーのニーズに応えるだけでなく、それを牽引し続けなければならない。これには、同社の比類なき製品を目立つように配置することも含まれる。この点については、アップルが身をもって示している。

iPhoneがどれほど普及していようとも、アップルはSiriの限界を隠したことはない。同様に、少なくとも現時点では、ChatGPT、Copilot、Gemini、Grok、あるいはメタの「Meta AI」に匹敵するものを自社で持っていないという事実も隠していない。この事実はアップルの衰退を示しているのだろうか。決してそんなことはない。

本欄が3月に論じたように、そしてAIであれ他の何であれ今後を知っているわけでは決してないが(テクノロジー業界の内外で、2022年11月30日の前後を予見した人がどれほどいただろうか)、アップルはAIのコモディティ化の可能性に向けて見事な位置取りをしている。巨額を投じてAIを自ら開発するのではなく、アップルはiPhoneやその他のデバイスを他社の英知に開放した。ここにも、グーグルとそのGemini AIが含まれる。

アップルは、クパチーノの自社の壁の外で達成された技術的進歩と組み合わせることで、自社製品の有用性がはるかに高まることを十分に理解しており、「広く利用されている」自社デバイスを非アップル技術に積極的に開放している。EUの規制当局がグーグルに10億ドル(約1600億円)の制裁金を科すにあたり、まさにこの点を明らかに見過ごしていたのだ。

実際、グーグルはどうすればよいのか。EUの規制当局は本気で、他社の技術を自社の広く利用されている検索エンジンで優遇せよと期待しているのか。特に、他社が生み出したものがグーグル社内で開発されたものに及ばない場合でも、そうせよと言うのか。EUの規制当局は、グーグルに対して消費者に反する自傷行為とも言うべき道を選ぶよう要求しているだけでなく、グーグルの人気を自らの成長戦略として活用しようとしている当のサードパーティーたちの商業的発展をも危うくするような形で、自らを傷つけるよう求めているのである。

ここで、EUの主張の中核とグーグルへの10億ドル(約1600億円)の制裁金の根拠を見ておく必要がある。制裁金の背後にあるのは、グーグルが自社サービスを外部プロバイダーのものより優遇することで、外部プロバイダーの発展と成長を抑えつけてきた、という含意である。しかし、これほど真実からかけ離れた主張はない。ここでもアップルを見てほしい。

アップルがグーグルのGeminiを自社のSiri製品に組み込んだことが示すように、いかなる企業も水準以下の製品を提供し続けて偉大であり続けることはできない。グーグルのGeminiは、アップル製品の市場での魅力を直ちに大幅に高めるだろう。同様に、グーグルの製品・サービス群も、改善がどこから来るかを問わず、それらが優れていればいるほど、はるかに魅力的なものになる。EUの嘆きへの答えは制裁金ではなく、より優れたサードパーティーの存在なのだ。

forbes.com 原文

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