職場が取り組むべき最大の課題の1つは、変化への抵抗をいかに管理し、最小化し、緩和するかである。企業の合併や買収、人員削減、社内対立といった避けられないプロセスのなかで、従業員は大小さまざまな変革への対応を迫られ、それがしばしば反発や抵抗につながる。では、抵抗を最小化し緩和するかたちで、職場の変化をどのように導入すればよいのだろうか。
「Dissolving Resistance to Change(変化への抵抗を解消する)モデル™️」(DRCモデル)と呼ばれる新しいフレームワークは、従業員の変化への抵抗に対処する上で強力かつ効果的なツールとなり得る。このフレームワークは、抵抗を解消するための5つのステップを提示している。モデルは、世界中のおよそ100の組織や機関で行われた公正性および変革に関する取り組みに基づいて構築されている。モデルの最初のステップは「予測」だ。抵抗が現れうる無数のかたちを理解することは極めて重要であり、それは変化が実施される前に行われるべきである。これには従業員、その悩み、そして支援が必要となる可能性のある領域についての深い知識と理解が求められる。
2つ目のステップは「特定」である。抵抗が生じ得る領域を予測し、変化が導入された後には、集団の中で抵抗がどのように現れているかを見極めるための時間を取らなければならない。従業員が提案された変化に無関心である場合もあれば、変化の受容プロセスに積極的に反対している場合もある。抵抗の現れ方を特定した後の3つ目のステップは、抵抗の原因を診断することである。この段階では、リーダーはさらに深く掘り下げる必要がある。たとえば、従業員が変化に対応するうえで支援されていないと感じる理由や、変化に価値を見いだせない理由を明らかにすべきである。
4つ目のステップは最も重要で、「介入」の段階である。変化への抵抗の原因を特定・診断した後、抵抗を管理し、最小化し、緩和するための介入が行われなければならない。ダルマワンとアジザによる2020年の文献レビューでは、組織における変化への抵抗に関する豊富な研究をレビューした結果、変化への抵抗を克服するために活用できる7つのテーマが特定されている。DRCモデルはこの研究に依拠しつつ、特に職場における公正性に関連する部分として、変化への抵抗を克服するための8つ目の戦略を追加している。
ステップ4において、DRCモデルは変化への抵抗を管理・緩和・最小化するための8つの戦略を提示している。それらは以下のとおりである。
- 変化を段階的に導入する
- 変化を導入する際に従業員の参加を得る
- 従業員が組織に対する帰属意識やつながりを感じられるようにする
- 変化に関するファシリテーションと教育を行う
- 従業員の信頼を強化する
- 追加的な支援を提供する
- 変化を推進する人物が、それを効果的に行える人物であるようにする
- 従業員が「自分にとって何のメリットがあるか」(WIIFM)、そして変化を受け入れることの利点を理解できるよう支援する
DRCモデルの最後のステップは、抵抗が解消され、提案された変化が受け入れられているかを評価することである。これを評価する方法はいくつかある。組織は、変化を受け入れた従業員の数を数値化したり、変革の前後でアセスメントを実施して変化を分析したり、従業員の意識調査やフォーカスグループを実施してフィードバックを評価したりすることができる。DRCモデルを用いれば、組織や機関は自らの具体的なニーズに合わせてカスタマイズすることが可能である。ただし、変化への抵抗を解消するには時間がかかることが多く、通常はすぐに終わるプロセスではないことを忘れてはならない。
変化への抵抗に対処する方法に、万能の解決策はない。しかしDRCモデルは、問題の根本に対処するための道筋を示し得る。組織内の変化への抵抗は事前に予測されるべきであり、変化が導入されるずっと前から、従業員の抵抗を緩和し、最小化し、管理するための積極的な手順を講じる必要がある。職場が急速に変化する世界において、大規模な変化に伴う抵抗を減らすことができるツールをリーダーが活用することは不可欠である。



