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2015.11.22

興収1000億円突破か 映画『007スペクター』大ヒットの予感

映画『007スペクター』イメージ courtesy of Sony

映画『007』シリーズ最新作、『007スペクター』(日本では12月4日公開)は全米公開から5日間で8,300万ドル(約102億円)の興行収入を記録した。この調子でいくと、最終的な米国内の興収は1億7,600万ドル(約216億3,000万円)に達する。
 
この数字は過去の007映画と比べてどの程度のヒットなのか? 53年にわたるシリーズの歴史を紐解いた。
 
サム・メンデスがメガホンを取った『007スペクター』はシリーズ第24作目。6代目ボンドのダニエル・クレイグ主演による4本目だ。クレイグ版1作目の『カジノ・ロワイヤル』(2006年)の米国内興行収入は1億6,700万ドル(約205億3,000万円)。『慰めの報酬』(2008年)は1億6,800万ドル、『スカイフォール』(2012年)はシリーズ史上最高の3億400万ドル(約373億7,000万円)を叩き出した。
 
とはいえ、53年の歴史を振り返ると、『スカイフォール』の成績は歴代3位だ。(過去作の興収を2015年現在の貨幣価値に換算した結果)。
 
1位は初代ボンドのショーン・コネリー主演の『007サンダーボール作戦』(1965年)。現在の貨幣価値で約6億3,200万ドル(約776億9,000万円)を生み出した。
2位はシリーズ第3作『ゴールドフィンガー』(1964年)で、約5億1千万ドルだった。
『ゴールドフィンガー』はシリーズの人気を不動のものにした作品であり、007のみならずアクション大作全般の基礎を築いた作品として知られている。
 
では、日本を舞台にした第5作『007は二度死ぬ』(1967年)はどうだったか? 難攻不落の要塞など後のシリーズでお馴染みとなる設定が登場するにもかかわらず、興行面では約3億ドル相当に急降下した。それでも現在の貨幣価値に換算するとシリーズの興行成績第4位ではあるのだが。
 
今回の『007スペクター』は初期の007へのオマージュがつまった作品だ。話の設定はショーン・コネリー版のいくつかの要素を引き継いでいる。お決まりのギャグが頻出する内容は『007私が愛したスパイ』(1977年)のロジャー・ムーアを想起させる。米国での興行成績は、凡庸なものに終わる可能性があるが、米国外では公開後15日間で3億ドル(約368億8,000万円)を稼いでいる。
 
最終的な全世界興行収入は最低でも6億5,000万ドル(約799億円)、中国で大ヒットすれば8億ドル(約983億4,000万円)に届くだろう。
 
『007スペクター』の制作にあたっては、シリーズ史上最高額の2億4,000万ドル(約295億円)が投じられている。

編集=海田恭子

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