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暮らし

2026.08.04 17:00

有能な人ほど注意、「成功体験」は頭脳を徐々に鈍らせていく

stock.adobe.com

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なぜ頭脳は鈍るのか。この問いに対する説明の多くは同じものに行き着く。それは「使わなくなること」だ。読書や学びをやめ、惰性で過ごせば思考の機能はさびついていく。だからこそ、一般的な対処法は努力になる。クロスワードパズルを解いたり、語学を学んだりして頭を忙しく働かせ続けるというものだ。

だが、思考を鈍らせるより一般的な要因は怠慢にあるのではない。有能さにある。経験を1年積むごとに、すでに機能している自分なりの「ノウハウ」が蓄積されていく。相手を説得できるとわかっている論法、ほぼ確実にバグを解消できる対処法、厄介な顧客への標準的な対処法などだ。これらは確かに価値がある。しかし同時に、それこそが考える必要を密かになくしていくものでもある。

この傾向は「実証済みの手法だけで動くこと」と呼べる。今日の問題を昨年の解決策で処理したり、前回うまく伝わった言い回しでアイデアを説明したりすることなどだ。当事者にとっては、これは決して衰退とは感じられない。物事が得意になったと感じられる。

創造的な問題解決を妨げる仕組み

心理学者はこうした罠に「アインシュテルング効果」という名称をつけている。これは、最初に思い浮かんだ解決策によってもっといい解決策の出現が妨げられる現象のことだ。

最もわかりやすい例はチェスに見られる。よく知られたチェックメイトの方法と、それよりも速く勝負を決めることができるなじみの薄い方法がある局面をチェスに精通している人に見せると、彼らはよく知られた方法を見つけ、それ以上よい手を探すのをやめる傾向がある。本人たちは別の手を探していると報告するが、視線を追跡すると盤面を見続けている。その視線は、自分がすでに持っている解決策に関係するマスから離れない。

この最後の部分こそが問題なのだ。内省ではそれに気づけない。そして、この視野の狭まりは生まれつきのものではなく、時間と共に形成されることが学術誌『Frontiers in Psychology』に2022年に掲載された研究で示唆されている。研究者たちは、被験者たちが慣れた方法で問題を解く際にどこを見ているかを追跡した。その結果、最終的にもっと良いアプローチに気づく人と気づかない人との違いは、最初から存在していたわけではないことが明らかになった。その違いは、慣れ親しんだ手法が機能し続ける時間が長くなるにつれて現れてきた。成功こそが探索する範囲を狭めており、それは何の予告もなく徐々に狭めていく。

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翻訳=溝口慈子

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