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暮らし

2026.08.04 17:00

有能な人ほど注意、「成功体験」は頭脳を徐々に鈍らせていく

stock.adobe.com

「説明できる」が理解と専門知識を阻む

この反射的な傾向には言葉によるものもあり、こちらの方がより一般的かもしれない。

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何かをうまく説明できれば、それは定型句になる。そのため、次に同じ話題が出たとき、推論を一から組み立て直すことはなくなり、以前使っていた定型文が取り出される。それを数年間繰り返すと、要約を伝えることは得意になる一方で、その背後にある推論は徐々に疎かになっていく。

認知科学者のレオニード・ローゼンブリットとフランク・カイルは、その結果生じる過信を「説明深度の錯覚」と呼んだ。人は物事を実際以上に詳しく理解していると思い込んでいるが、段階を追って説明するよう求められると、その自信はたちまち崩れ去ってしまう。

学術誌『Judgment and Decision Making』に2023年に掲載された研究では、この自信の崩壊の影響がその対象だけにとどまらないことがわかった。事前登録された3つの実験で、ファスナーがどのように機能するかを説明しようとした人は、雪がどのようにできるか、地震がどのように起きるかといった無関係な物事についても自分の理解度を低く評価するようになった。1つの物事を説明するのに苦労すると、自分が実際にどれほど知っているかについて謙虚になるようだ。

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流暢に語れることは、理解しているように感じられる。だがそれは理解を測るものとしては不十分であり、驚くほど簡単に作り出せる。学術誌『Applied Cognitive Psychology』に2023年に掲載された研究では、説明をネットで検索した人は全く同じ説明を渡されて読んだだけの人より自分の説明能力を高く評価した。さらに、リンクをクリックして読むことなく検索結果の短い抜粋に目を通しただけでもほぼ同程度の過剰な自信が生まれていた。自分が理解していると確信させる要因は、答えを生み出す作業ではなく答えの完成度なのだ。

間違いが学習効果を高める理由

学習に関する文献は能力を育む要素についてはっきり指摘している。それは難しさだ。間隔を空けての学習と想起に関する1世紀以上にわたる研究をレビューし、学術誌『Nature Reviews Psychology』に2022年に掲載された研究で、答えを記憶から引き出そうとすることは単に読み直すよりもはるかにその記憶を強固なものにすることがわかった。そして、この効果は年齢や対象、状況を問わず確認されている。それにもかかわらず、この方法は学習が本来持つべき感覚に反するため、ほとんどの学習者は取り入れない。

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翻訳=溝口慈子

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