経済

2026.08.03 10:00

SHEINが香港上場資料を公開──関税で低価格モデルが揺らぎ、評価額は半減

Rey - stock.adobe.com

売上高6.6兆円でも減速、利益急落が映す成長曲線

では、数字を見ていこう。筆者はここ数年、漏れ伝わる断片を基に数値を追ってきただけに、詳細を精査することを心待ちにしていた。

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2025年度の売上高は8%増の418億ドル(約6兆6044億円)となった。紛れもなく巨大な事業である一方、成長率は1桁台にとどまっており、SHEINの超成長期には考えられなかった水準だ。

純利益は38.7%減の20億6000万ドル(約3254億8000万円)となり、はるかに小さい売上規模だった2023年に同社が稼いだ利益と、金額ベースではおおむね同水準に戻った。

さらに2026年1~3月期は、前年同期の3億9500万ドル(約624億1000万円)の黒字から一転し、9900万ドル(約159億円)の赤字となった。米国売上は免税撤廃後に減少し、関税変更で商品配送にかかる費用も膨らんだ。転換償還優先株に伴う公正価値評価損も加わり、最終赤字となった。

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それに応じてバリュエーションも見直されている。報道では、目標は400億〜500億ドル(約6兆3200億~約7兆9000億円)前後とされる。SHEINが2022年のピーク時に付けた1000億ドル(約15兆8000億円)の半分未満であり、かつてニューヨーク上場で取り沙汰された900億ドル(約14兆2200億円)を大きく下回る。

1株10票の議決権、創業者スカイ・シューへ権限集中

ガバナンスに関心を持つ読者は、さらに2つの点に注目するだろう。1つは、クラスA株主に1株あたり10議決権を与える加重議決権構造である。

もう1つは、長年にわたりエグゼクティブ・チェアマンを務めたドナルド・タンの名前が、上場開示書類の取締役および上級管理職の一覧にないことだ。創業者のスカイ・シューは会長兼CEOとして記載されている。タンが上場開示書類から姿を消したことは、ガバナンス上の決定的な転換を示している。海外上場の試みを主導してきた西側向けの顔を外し、創業者スカイ・シューの下に権限を事実上集約する動きである。

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