中国はそれを「紙くず」と呼ぶ。しかし、それは歴史上最も重要な国際法上の判断の1つだ。2026年7月12日は、南シナ海に関する仲裁裁判においてフィリピンが中国に勝訴してから10年の節目にあたる。この画期的な裁定は、中国が国連海洋法条約(UNCLOS)に基づくフィリピンの権利を侵害したと認定した。中国は仲裁手続きへの参加を拒否し、裁定を完全に遵守していないため、一部の評論家はこの裁判の重要性を軽視している。しかし、この裁定は地域政治、そして将来起こり得る米国と中国の間の戦争において、極めて大きな意味を持っている。
フィリピンは法を武器に、中国の九段線を無効へ追い込んだ
フィリピンがこの裁判を起こしたのは、自国の200海里の排他的経済水域(EEZ)内において、中国が主権的権利を繰り返し侵害したためだ。中国は、1940年代から自国の地図に描かれてきた、いわゆる「九段線」に基づき、南シナ海の大部分に対する主権を主張している。中国の主張は、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾、マレーシア、インドネシアの主張と重複している。2012年、中国はフィリピンのEEZ内にある伝統的なフィリピン人漁師の漁場であるスカボロー礁を占拠し、その過程でフィリピンの要員や漁民の命を危険にさらした。それと同時に、中国はフィリピンや他の近隣諸国のEEZ内の別の場所に人工島を建設することで、甚大な環境破壊を引き起こしていた。中国は滑走路、格納庫、レドームなどを速やかに建設し、これらの島々を軍事化していることを示した。
米国の支援なしには軍事的に中国に対抗できないフィリピンは、常設仲裁裁判所(PCA)を事務局として、2013年にUNCLOSの附属書VIIに基づく仲裁手続きを開始した(前回のコラムで、附属書の番号や仲裁裁判所の構成の詳細を記載しなかったことを読者から叱責されたため、今回は記載した)。フィリピンのこの行動は、物理的な武力行使に代わって、法を利用して戦略的または軍事的な目標を達成するという、典型的なローフェア(法戦)の動きであった。
中国は参加を拒否した。中国は、フィリピンが提訴前に行った交渉が不十分であったため、仲裁手続き自体が違法であると主張した。この裁判の重要性を理解していた仲裁人たちは、中国の公式声明や国家慣行から、中国側の主張を組み立てた。中国外務省は審理中に、驚くほど法律上の準備書面に似たポジションペーパー(立場表明書)を公表し、仲裁人たちもこれを検討対象とした。



