ウクライナ防衛軍のドローンは主に装甲車両など大型装備を攻撃していたことから、兵士の多くは徒歩で前進を続けることが可能だった。オートバイやトラックはこの攻撃全体を通じて兵士を守るような役割は与えられておらず、あくまで兵士を目標地点近くまで素早く輸送することを目的としていたと推測される。
今回の攻撃による作戦面の影響
より広い視点で見ると、今回の攻撃はロシア軍が置かれた厳しい状況を浮き彫りにしている。過去1年、ロシア軍はじわじわと支配地域を広げてきたものの、その代償として人員と装備に甚大な損失を被ってきた。また、ロシア指導部はロシア軍に対して防御態勢への転換ではなく、引き続き攻勢作戦の継続を求めている。このような状況下では、ロシア軍の指揮官たちには、膠着状態の打開につながることを期待して新たな攻撃戦術を試し続ける強い動機がはたらく。
ロシア軍は今後も、小規模部隊による浸透を基本的な戦法としつつ、限定的に機械化攻撃を試みる公算が大きい。こうした浸透作戦はこれまで、少しずつの前進しか遂げられてこなかったとはいえ、戦線全体で絶え間なく圧力をかけ続けてきたのも確かである。他方、機械化攻撃は、ウクライナ軍の防御帯を突き抜けることができれば、より大きな突破を達成できる可能性を秘めている。もっとも、それが保証されているわけではない。
ドブロピッリャ方面での今回の攻撃は、ロシア軍が引き続き、より効果的な戦法を求めて戦術や装備を洗練させていくことを予想させる。しかし、そうした適応が果たして、ドローンを中心に絶えず進化しているウクライナ側の防御を突破するのに十分なものになるのかどうかは、依然として不透明である。


