欧州

2026.08.01 07:00

ロシア軍がドネツク戦線で大規模な機械化攻撃 続く新戦術模索と透ける苦境

ウクライナ南部ドネツク州ドブロピッリャ方面で2026年7月22日、ロシア軍の戦車がドローン(無人機)攻撃を受ける様子。ウクライナ国境警備庁のドローン部隊「フェニックス」が公開した動画から

ウクライナ南部ドネツク州ドブロピッリャ方面で2026年7月22日、ロシア軍の戦車がドローン(無人機)攻撃を受ける様子。ウクライナ国境警備庁のドローン部隊「フェニックス」が公開した動画から

かつてロシアの軍事ドクトリンの代名詞だった大規模な機械化攻撃は、ロシア・ウクライナ戦争ではほとんど見られなくなっている。ウクライナのドローン(無人機)を中心とした防御により、装甲部隊による突破は難しくなってきたためである。代わりにロシア軍は小規模な部隊による浸透に切り替え、ウクライナ防衛軍の陣地を迂回し、重要な地形を奪取することを図ってきた。しかし、こうした攻撃は進捗が遅く、多大な損害を伴い、総じて有効性は高くない。

新たな方策を模索しているロシア軍は最近、ウクライナ東部ドネツク州で、ここ何カ月かで最大規模の機械化攻撃を実施した。これは最終的に失敗したが、ロシア軍の戦術や戦技、装備の進化について知る貴重な手がかりを与えている。

ロシア軍の新たな機械化攻撃作戦、その戦力と損害

この攻撃は7月22日、ドネツク州ドブロピッリャ南東で行われた。最初の細かい情報は24日に明らかになった。ウクライナ国境警備庁のドローン部隊「フェニックス」が戦闘の動画を公開し、そこには、ロシア軍の複数の装甲車両がウクライナ側の陣地へ進撃する途中で撃破される様子が映っていた。

25日にはウクライナ国家親衛隊第1アゾフ軍団が、この攻撃はシャホベ村一帯の集落群に対する複数軸の攻勢の一部だったと報告した。アゾフ軍団はフェニックス部隊の映像に加え、ほかの部隊からの映像も集めて編集した動画も公開した。

アゾフ軍団によれば、この攻勢にはロシア軍の第8、第41両諸兵科連合軍と第90戦車師団の部隊が参加した。アゾフ軍団は「2個軍と1個戦車師団」が進撃してきたと説明しているが、動画で確認できる強襲部隊ははるかに小さく、増強された中隊だったと見受けられる。それでも、この攻撃は過去1年に記録されたロシア軍の機械化攻撃としては最大級のものだった。

攻撃戦力は、戦車や装甲戦闘車両、BM-21グラート自走多連装ロケット砲、民生用トラック、支援する歩兵などで構成されていた。また、装甲車両群とは独立して行動する2人組のオートバイ班も多数投入された。地上部隊の強襲に先だち、ゲルベラ、ランセット両ドローンが、ウクライナ側のドローン作戦の抑制を試みた。

装甲部隊は、この戦争で以前に見られたように密集した縦隊を組んで突撃するのではなく、各車両が広く間隔をとって前進した。攻撃戦力は南から北へ連なるボイキウカ―マヤク―シャホベ回廊を含む複数の軸でシャホベ方面に進撃した。各部隊はそれぞれ異なる目標に向かって機動した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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