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経営・戦略

2026.08.04 17:15

AIを使った経営者に訪れる「希望と絶望」──GMO西山裕之×カクシン田尻望が語る、アフターAIの経営

GMOインターネットグループ 取締役 グループ副社長執行役員・COO 西山裕之氏(左)と、カクシン 代表取締役CEO 田尻望氏

──企業がAI活用で競争優位を築くうえで、これから何が重要になるとお考えですか。

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田尻:業務効率化の次に必要になるのは、いかにして社内に蓄積されたデータをつなぎ、顧客への提案に使えるようにするかです。営業、マーケティング、商品開発などが、それぞれの部門に閉じていた情報を共有し、AIを通じて活用できるようになれば、顧客の状況に応じた提案を全社で行えるようになります。

既存業務を50%、70%減らしたというだけでは、会社のコストが下がったにすぎません。削減によって生まれた余力と、自社が持つデータを使って、顧客にこれまでなかった価値を提供できるか。こうした観点が、これから求められると思います。

西山:競合企業がAIを使って生産性を高めるなかで、自社だけが従来のやり方を続けていれば、いずれ競争についていけなくなります。生産性が低ければ、社員に高い給与を払うことも難しくなる。そうなれば、優秀な人材がより条件のよい会社へ移るだけでなく、新たな人材を採用するうえでも不利になります。

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AIへの対応が遅れることで生じるのは、単なる業務効率の差ではありません。報酬や人材、次の事業に投資できる余力まで含めて、企業間の差が広がっていくと思います。

──最終的に、人間はどのような仕事で価値を発揮することになるのでしょうか。

田尻:AIが論理的な作業を担うほど、人間同士の信頼関係を築く仕事の価値は高まると考えています。

営業担当者であれば、顧客企業の情報収集や提案の準備をAIに任せ、その分、顧客と向き合う時間を増やせます。「営業は足で稼ぐものだ」と考えてきた人も、AIによって準備の負担が減れば、むしろ以前より多く顧客を訪ね、深い関係を築けるかもしれません。

もちろん、単に親しいだけでは価値になりません。AIが整理した情報を踏まえて顧客の課題を理解し、相手と同じ目標に向かって何を実現するかを考える。AIによって人間の仕事が消えるのではなく、単純な作業から深い信頼の形成へと、人間が担うべき仕事が一周して戻ってくるのだと思います。

文=加藤智朗 編集=川上みなみ 写真=太田隆生

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