AI研修の問題をどう解決するか
インディードの調査では、勤務先から十分なAI研修を受けていると感じている現役の従業員はわずか32%だった。だからこそ企業は、すでにその知識を備えている可能性が高いZ世代の人材を見落としてはならないことが示唆される。
「たいていの組織には、研修がまるで行き届いていない広大な空白地帯があります」とM・Kは言う。「そして『社員のスキルを引き上げなければ』と気づく瞬間が訪れるのですが、それを実行する土台がないのです」。
AIの時代には、社員をパソコンの前に座らせて研修動画を見せるだけでは足りないとM・Kは言う。必要なのは、AIを自分の仕事の流れにどう組み込めるかを実地で体験させる活動であり、部門ごとに疑問や不安に答えられるAIネイティブの指導役を置くことだ。
研修不足は管理職にも共通していると、M・Kは説明する。AIネイティブ人材を率いる管理職の48%が、AIに関しては部下のほうが自分より優れたスキルを持っていると、インディードの調査に対して認めた。
「これまで企業は、実務に秀でた人を人の上に立つリーダーとして起用してきました」とM・Kは言う。「仕事が非常にできる人を選び、同じ仕事をする人たちの責任者に据えるわけです」。だが今は、実務の専門性だけに頼ることはできない。成果を出すには、AIツールの使い方とその倫理について部下を指導する術も身に付けなければならないからだ。
AIネイティブなスキルへの需要が高まる中、働く人は誰であれ、次の3つを最初にはっきり示すことが大切だとM・Kは言う。AIを問題解決の道具として使いこなせること、それを人間の判断と組み合わせられること、そして必要に応じて自律的に動くワークフローを設計できることだ。
「かつては、プロジェクトを任されたら、各作業を終えるために踏むべき手順を1つずつ思い浮かべ、そこから日程と成果物の水準を決めていたでしょう」とM・Kは説明する。「今は、自律的に回るワークフローという視点から考えるようになっています。この設計者としての発想が、これから大いに広まっていくはずです」。


