はやぶさ2拡張ミッションとプラネタリーディフェンス
そうした技術は、地球に衝突する恐れのある小惑星の軌道を変える国際的な取り組みとしてJAXAも参画する「プラネタリーディフェンス」(地球防衛)に欠かせない。実際、はやぶさ2には、プラネタリーディフェンスのための技術と知見を蓄積する役割が持たされているのだ。
はやぶさ2の本来のミッションは、小惑星リュウグウに着陸し、岩石を採取して地球に送り届けることだったが、それに成功した後も、残りの燃料を使った拡張ミッション「はやぶさ2#」にあたっている。今回のトリフネのフライバイもそのひとつ。その後、地球のスイングバイを2回行って、2031年には小惑星1998 KY26へのランデブーが予定されている。
1998 KY26は直径11メートルという非常に小さな天体だ。しかも、5分で1周という高速で自転している。こうした小さくて特殊な小惑星への接近と精密な観測を試みて、プラネタリーディフェンスのための知見をさらに深めるのが、はやぶさ2拡張ミッションの最後の目標だ。
このクラスの小惑星は、100〜1000年に1度の頻度で地球に衝突して大きな被害をもたらしているという。だが小さすぎて地上からでは詳細な情報を得ることができない。実際のプラネタリーディフェンスでは、トリフネの数分の1の小さな小惑星に宇宙機を正確に衝突させて軌道を変更する、まさに宇宙の流鏑馬を一発勝負で行うことになる。そこで、はやぶさ2の高度な誘導および観測技術が大いに貢献するということだ。
出典:千葉工業大学惑星探査研究センター 小惑星探査機「はやぶさ2」、世界初の小惑星フライバイ時のレーザー測距に成功
JAXA 小惑星探査機「はやぶさ2」


