キャリア

2026.07.31 09:29

市場が停滞する今こそ考えるべきキャリア戦略

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採用のペースが鈍化し、機会がやってくる通常のリズムが消えたとき、ほとんどのプロフェッショナルは2つのうちいずれかの行動を取る。より必死に動き回るか、じっと待つかだ。どちらの反応も理解できるが、いずれも功を奏することは少ない。

私は25年以上にわたり、景気循環の影響を受ける業界で、エグゼクティブサーチと職場コンサルティングに携わってきた。数年ごとに市場は縮小し、取引は鈍化し、採用サイクルは数週間から数カ月に延びる。だが、過去数十年の景気減速とは異なり、現在の採用市場にはもう一つのノイズが加わっている。人工知能(AI)の急速な進化と、それが引き起こすキャリアへの不安だ。多くの場合、プロフェッショナルは、自分の仕事がAIによってどう変わるかがわからないために、キャリアの行き先そのものに確信が持てなくなっている。

こうした違和感を覚えているなら、それはあなただけではない。問題は、その中をどう進み、成功へと向かうかである。

正しい問いを立てているか

マッキンゼーが2025年1月に発表した「Superagency in the Workplace」調査によると、従業員の41%が職場におけるAIに対してポジティブな感情よりも不安を強く感じているという。しかし、私の知るなかでこの局面をうまく乗り切っているプロフェッショナルたちは、この変化を無視してはいない。むしろ、より有益な問いを立てている。「自分の役割のうち、AIが担える部分は何か。そして、それによって解放された時間で、より深く、より丁寧に取り組めるようになるのは何か」と。

この視点の転換は希望的観測ではなく、実務的なものだ。エグゼクティブサーチの現場では、AIはすでに候補者の探索方法、情報処理、アプローチの構築のあり方を変えている。しかしAIに再現できないものがある。それは、長年の人間関係、文脈の読み取り、数千件におよぶ対話から培われるパターン認識にもとづく判断力だ。それは依然として人間の仕事であり、クライアントは今もそこに対価を払っている。

ただし、AIへの向き合い方は受け身であってはならない。他のあらゆるキャリア上の意思決定と同じく、意図的であることが求められる。自分の分野でAIが何をしているのかを冷静に見極め、自分の具体的な職務に関連するツールを理解し、どの場面で自ら手を動かすべきかを意識的に選択しなければならない。AIを能力を増幅する手段として仕事に統合することを主体的に学べば、成り行きを見守っているプロフェッショナルに対して、実質的な優位を得ることができる。

内省の機会を活かす

ノイズが少なく、切迫した意思決定も減った市場の減速期は、次にどこへ向かうかを考えるのにまさに適した環境である。景気後退から明らかに強い立場で抜け出してきたプロフェッショナルには、共通するある行動があった。彼らはこの静かな期間を使って、自分が本当に何に向かって働いているのかを定義したのだ。

これは単に「次にどのポジションに就くか」と考えることではない。3年から5年後に自分のキャリアはどのような姿になり得るのか、その実現には職務の範囲や責任の面で何が求められるのか、そしてAIはその展望のなかにどう組み込まれていくのか──彼らはそう問い直した。現在地と目指す地点との間にあるギャップを正直に棚卸ししたのだ。まだ身につけていないスキル、まだ得ていない経験、自分の野心と噛み合わない市場観、あるいは自分ならではの価値を損なうことなくAIを効果的に活用するにはどうすべきかという問いなど、である。

むろん、ギャップを特定するのと、市場が加速する前にそれに対して手を打つのとは別の話だ。大半のプロフェッショナルはここで止まる。振り返り、多少の明晰さを得るが、何も実際には変わらないうちに反応的なモードに戻ってしまう。この循環を断ち切るのに、劇的な飛躍は必要ないし、すでに手一杯の予定にさらに重荷を加えるようなものである必要もない。週に30分、自分自身の進む道だけを議題にする時間を確保する。それだけで十分だ。その線引きそのものがアクションになる。停滞期を経て真に明晰さを持って抜け出すプロフェッショナルと、単に耐え忍んでそれを忍耐と呼ぶ人との違いは、ここにある。

次のステップも同様に地味なものだ。それは、ギャップが具体的にどこにあるのかを名指しすることである。まだ築いていないスキルかもしれないし、次のキャリアを形づくる会議や案件、意思決定者への接点の欠如かもしれない。あるいは、日々の業務に埋没しているうちに、気づかぬまま痩せていった同輩のネットワークかもしれない。中堅・シニア層のプロフェッショナルの多くは、これを個人的な弱みとして自分だけの時間で静かに処理しようとする。しかし、これらは本来そういう性質のものではない。最も早くギャップを埋める方法は、信頼できる上司、メンター、同僚に共有することだ。「自分はここで成長したい。足りないのはこれだと思っている。こういう形で支援してもらえるとありがたい」と伝えるのである。この会話は今もコストゼロだが、市場が静まっている今のほうが、採用が再び加速したあとよりもはるかに切り出しやすい。

キャリアの行き先は自分が決める

市場は循環する。採用は必ず戻ってくる。そのとき、静かな期間を使って進むべき方向、AIとの向き合い方、自分が何に向かって積み上げているのかを明確に考えたプロフェッショナルは、目的を持って動き出せる。

実践的なテストは次の通りだ。もし誰かに「5年後、あなたのキャリアはどこへ向かっているのか」と問われたら、明確な一文で答えられるだろうか。AIが自分の働き方にどう組み込まれ、何を「代替不可能な人間の領域」として守るつもりなのかを、具体的に語れるだろうか。いずれかが曖昧なら、この静かな市場は内省のための機会になる。その余白を使うのだ。何に向かって積み上げているのかを定義し、ギャップを特定し、具体的な一手を打つ。それが、自分のキャリアを正しい方向へと動かし続ける方法である。

forbes.com 原文

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