売上高の25倍という生きた基準と、あらゆる評価額が共存
Unitreeの株式が取引され始めれば、このテーマには生きた基準が生まれる。売上高の約25倍で評価され、日々値洗いされる、黒字の数量首位企業である。このカテゴリーの他のすべてのバリュエーションは、その数字と共存しなければならない。後に続く150社超の中国のヒューマノイド企業。はるかに少ない開示で、それを大きく上回る評価を受けている米国の非公開プログラム。テスラの時価総額に静かに織り込まれたOptimus(オプティマス)の前提。これらが自動的に再評価されるわけではないが、いずれもこれまで存在しなかった比較対象を得ることになる。そして比較対象こそ、物語が監査される方法である。
ここでは市場のインフラ面も重要だ。上場によりUnitreeはインデックスとETFの仕組みの中に組み込まれる。ヒューマノイド・ロボティクス関連ファンドを運用するマネージャーらはすでに、この案件が投資可能なユニバースを広げ、セクターにバリュエーションの基準をもたらすと述べている。ヒューマノイドという投資テーマを、コングロマリットや部品供給企業を通じてしか表現できなかった投資家は、直接的な投資手段を得る。そしてその投資手段が付ける価格は、隣接するあらゆるものの評価に波及していく。
検証は双方向に働く。だからこそ、今後数週間が興味深い。最近の中国ロボティクス企業の上場では、取引開始後に大きなばらつきが見られ、力強いリターンを上げた銘柄もあれば、急落した銘柄もある。政策的に後押しされたIPOの初日急騰は、事業そのものよりも熱狂を測るものだ。ベンジャミン・グレアムの古い言葉が、今の状況に当てはまる。短期的には市場は投票機械であり、長期的には計量機械である。上場初日は投票だ。熱狂が冷めた後にUnitreeが落ち着く倍率こそが計量であり、その数字が次のロボット企業の目論見書の波を律することになる。
Optimusの量産はまだ始まらず、テスラは同じ坂を登る
テスラは米国時間7月22日の夕方、第2四半期決算を発表した。過去最高の納車台数により売上高は26%増の282億ドル(約4.51兆円)となった一方、営業利益は57%減少し、規制クレジット収入は3分の2減った。同社は過去最多の自動車を販売したが、手元に残る資金は減った。
短期的なストーリーは引き続きロボタクシーで、現在は主要7都市圏で稼働している。オースティン、ダラス、ヒューストン、マイアミ、オーランド、タンパでは無監督運行が拡大している。しかし決算説明会は、ヒューマノイドというテーマにも独自のチェックポイントを与えた。そしてOptimusの生産はまだ始まっていない。
テスラはフリーモント工場に第1世代のラインを設置しており、2026年後半に生産開始が見込まれる。最初のユニットは顧客への納入ではなく、訓練データの収集に充てられる予定だ。マスクはそれについて、「テスラでこれまで作ってきた中で、製造を拡大するのが最も難しい製品になる。ロボット上のすべてが新しいからだ」と述べた。これが、製造基盤を一から構築するということの実態であり、Unitreeが段階的に安価な機械を投入しながら9年かけて登ってきた坂道でもある。
実在する比較対象は、本気の開発計画をむしろ後押し
実在する比較対象は、真剣な取り組みにとって害になるよりも助けになる。Unitreeの目論見書は、ロボットメーカーが今日のハードウェアから60%の売上総利益率を引き出せることを証明しており、テスラが数十億ドル(数千億円)を投じて産業化しようとしているカテゴリーを裏付けている。そして組み立て競争で誰が勝つにせよ、知能レイヤーは独自の経済性を維持する。Unitreeの機械はNvidiaのロボット向けチップ上で動作し、Nvidiaのシミュレーターで訓練される。この依存関係については、上場申請の波が始まった際に詳述した。Nvidiaのような企業は、この上場がどのような結果になっても収益を得る立場にある。一方でテスラは、立ち上げが成功すればこのカテゴリーを産業化できる製造規模と現実世界のデータを持つ企業であり続けている。
取引が始まる初日から、他のあらゆるヒューマノイドの評価額は、ロボットを売って利益を出す会社を物差しに測られることになる。ニュースで話題になるのは初日の急騰のほうだろう。だが記憶にとどめるべきは、その熱狂を生き延びた倍率のほうである。


