リーダーシップ

2026.07.31 08:32

一流の経営者が睡眠を重視する理由──失われる「人間味」という代償

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睡眠不足がリーダーシップの「人間味」を損なう理由

ビジネスとリーダーシップには多くの側面があるが、その中核にあるのは人と人との関係だ。組織再編、次四半期に向けた新たなビジョンの発表、その他あらゆる取り組みは、人々が共有の方向性についていき、信頼し、最善の努力を注ぐことを選ぶかどうかにかかっている。

そのため、経営者にとって最も価値ある資産は、共感力、周囲との調和、風格、そして場の空気を読み取って応える力であることが多い。

これらは磨くべきスキルとみなされがちだが、実は生物学的な基盤を持っている。そして睡眠がその調整役を担っているのだ。

睡眠とエグゼクティブのパフォーマンスに関する議論はこれまで、リーダーの認知的な出力や生産性に焦点を当てることが多かった。しかし、リーダーの睡眠の質が、他者との関わり方をも形作っているという証拠が増えつつある。

リーダーシップの「人間味」を支える脳内ネットワーク

私たちの脳には、神経科学者が社会的認知ネットワークと呼ぶ、分散した神経ネットワークが存在する。これは内側前頭前皮質、側頭頭頂接合部、扁桃体、後上側頭溝、ミラーニューロン系を含む。

これらの領域は互いに絶えず通信し、他者の精神状態や行動をリアルタイムで処理・解釈・応答している。

このリーダーを本当に効果的で影響力ある存在にするのが、このネットワークだ。部屋に入った瞬間にエネルギーがどこにあるかを感じ取り、言葉にされていないものを察し、会議後に誰がサポートを必要としているかを見抜くことを可能にする。このネットワークの強さこそが、技術的に有能なだけの経営者と、人々が心から「この人のために働きたい」と思うリーダーとを分ける。

ところが、睡眠不足はこのネットワークを選択的に抑制する。脳のあらゆるシステムに一律に影響するのではなく、まさにリーダーシップの人間的側面を担う回路を狙い撃ちにするのだ。

睡眠不足がリーダーシップに課す見えない代償

カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが2022年にPLOS Biology誌に発表した研究によれば、たった一晩の睡眠不足で、参加者の78%において援助行動が有意に減少した。しかも重要なのは、助けを必要としている相手が見知らぬ人でも親しい同僚でも効果が同じで、親密さは何の防御にもならなかった点だ。

fMRIデータによると、睡眠不足は先述の社会的認知ネットワーク全体の活動を大幅に低下させ、その抑制の程度は、各参加者の援助意欲の低下幅を直接予測していた。

研究者らはさらに調査を広げた。2001年から2016年までに全米で行われた300万件以上の慈善寄付を分析したところ、サマータイムへの移行で睡眠時間がわずか1時間失われるだけで、全国的な利他的寄付が10%減少していた。

経営者にとって、社会的認知ネットワークは効果的なリーダーシップの生物学的インフラである。睡眠不足は、最も肝心な瞬間にリーダーの知覚を鈍らせ、人間味を薄れさせるのだ。

睡眠がもたらすリーダーシップの優位性

「小さなことが大きなことだ」という言葉は日常生活によく当てはまるが、ビジネスにおいても同じである。効果的なリーダーシップは、小さく一貫した行動の積み重ねによって築かれ、それがやがて大きな成果——過去最高の四半期業績や、組織の一員であることを心から喜ぶメンバーの存在——につながっていく。

そうした瞬間には、生物学的な根拠がある。リーダーが絶えず競争優位を求める世界では、真に人間らしくあることこそ、最も過小評価されている強みの一つだ。睡眠不足のエグゼクティブでも、業務を遂行し、会議を回し、目標を達成し、意思決定を下すことはできる。

しかし時間が経つにつれ、その存在感の質は衰えていく。そして、人々に対する影響力もまた失われる。

人々が記憶に残し、ついていくことを選ぶリーダーとは、正しい決断を下しつつ、そのプロセスで相手に「自分は見てもらえている」と感じさせる人物だ。真のリーダーシップを発揮するその能力は、毎晩の睡眠によって調整されている。

forbes.com 原文

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