今夏、欧州各地を襲っている山火事による焼失面積はこれまでに40万ヘクタールを超えている。これは例年の約3倍に相当する。
欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が運営する「欧州森林火災情報サービス(EFFIS)」が30日に公表した統計によると、二酸化炭素汚染や干ばつに加え、高温と強風が重なったことで、EU域内では今夏、例年の2倍以上に当たる約1400件の山火事が発生している。
ギリシャでは今週、2件の火災の消火活動に当たっていた消防士3人が死亡したほか、フランスとスペインでは熱波が襲う中、鎮火したばかりの火災が再燃するのを防ぐため、消防隊員は依然、警戒態勢にある。フランス南西部とスペイン全土で、30万人以上の住民や観光客が避難を余儀なくされている。
米国でも、主に落雷と乾燥した気候によって引き起こされた森林火災が、近年の記録に迫る勢いで燃え広がっている。米紙ステーツマンジャーナルによると、今夏オレゴン州の山火事で焼失した面積は72万ヘクタールに及んでおり、2024年に過去最大を記録した78万ヘクタールにあと一歩のところまで迫っている。消火活動にかかる費用は2億4200万ドル(約390億円)に達している。全米省庁合同火災センター(NIFC)によると、今年に入ってからこれまでに米国で森林火災によって焼失した面積は105万ヘクタールに上る。米国立気象局は30日、ワシントン州、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州に火災気象注意報を出した。
今夏、山火事が相次いでいる欧米では、数十万人が避難を余儀なくされ、消防体制が逼迫(ひっぱく)している。専門家によると、今年の欧州の森林火災は「天候の急激な変化」によって悪化している。冬から春にかけての降雨により植物が豊かに生育したが、夏の猛暑で乾燥し、可燃性の高い燃料が大量に残されたことで、火が燃え広がりやすい状態になったのだ。米国では、異常な高温や干ばつ、植物の乾燥、開発の拡大により、森林火災のリスクが高まり、住宅の保護が課題となっている。専門家は、気候変動によって猛暑や乾燥状態の頻度と強度が増し、火災シーズンが長期化するとともに、大西洋の両岸で火災が広がる速度が増し、激しく燃え広がるような気象条件が生まれていると警告している。山火事の危険性が高い状態は夏の終わりまで続くという。
今月初め、カナダで数百件の山火事が発生し、大量の煙が国境を超えて米北東部にまで流れ込んだ。米国では複数の州で大気汚染警報が出され、煙はバージニア州まで達したが、後に消散した。今夏カナダで発生した約820件の山火事のうち、156件は「制御不能」とされた。煙の濃度が特に高かった米ミネソタ州では、呼吸器系の問題による救急外来の受診が10日間で28%急増した。



