6月に横ばいで推移していたジェット燃料価格が再び上昇に転じている。米国の航空各社は軒並み業績予想を下方修正しており、今夏後半から秋にかけて、航空運賃が再び値上がりする可能性が高まっている。
国際航空運送協会(IATA)のジェット燃料モニターによると、世界のジェット燃料平均価格は17日までの1週間で18%近く上昇し、1バレル149.40ドルへと急騰した。前週は7%上昇していた。カナダ・マギル大学で航空リスク管理を専門とするジョン・グラデクはフォーブスの取材に対し、「中東情勢が完全な混乱に陥れば、200ドルも現実的な水準になるだろう」と指摘。「その兆候は現れ始めている。米国、欧州、中国が保有していたジェット燃料の戦略備蓄は、既に使い果たされてている」と警告した。
ダウ・ジョーンズ米航空会社指数は、米国とイランが直接対話を開始したものの、最終的に停戦合意に至らなかった1日以降、15%下落している。米アメリカン航空は、燃料費の高騰を理由に2026年の業績見通しを下方修正した。これは、現在の運賃では燃料価格の急騰を完全には賄えないことを示唆している。同じく通期見通しを引き下げた米サウスウエスト航空は今春、燃料不足に備え、パナマ運河経由で4800万リットルのジェット燃料を米ロサンゼルスへ輸送したと、同社のトム・ドクシー最高財務責任者(CFO)が米CNBCに語った。アメリカン航空のデボン・メーCFOは第2四半期の決算説明会で投資家に対し、「わずか3週間前までは、通期の税引前利益が15億ドル(約2400億円)近くに達するとの見通しを立てていた。これは前年の約4倍に相当する」と説明した。同社はジェット燃料の約65%をペルシャ湾岸地域から調達している。
航空運賃は今後も上昇し続けるのか?
米旅行産業協会(USTA)の旅行価格指数によると、6月の航空券価格は前年同月比26.5%上昇していた。フォーブスの取材に応じた航空券検索アプリ「ゴーイング」の広報担当ケーティー・ナストロは次のように語った。「航空運賃は8カ月連続で段階的に値上がりしている。1回当たりの上昇幅は2%や3%とわずかだが、それが積み重なった結果、現在では前年同時期の価格を27%上回っている。航空運賃は今後も上昇し続けると断言できる」。夏のピークが過ぎると通常、航空運賃は下落するが、ナストロは「今年はその傾向が見られないかもしれない」と推測している。
先述のグラデクも「航空運賃が下がることは絶対にない」という点では一致したが、「需要は当然、落ち込むだろう。需要が減退する中で、価格を引き上げ続けるのには無理がある」と述べ、秋以降も航空各社が運賃を引き上げ続けられるかどうかについては懐疑的な見方を示した。



