サイエンス

2026.07.31 18:00

えくぼの遺伝説は誤り、5人に1人の割合で起こる筋肉の変異

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さらに、顔以外の部位にも、えくぼにたとえられる形質がある。腰の下の方、尻のふくらみのちょうど上あたりにも、左右に2つ、浅いくぼみが出現することがある。「ヴィーナスのえくぼ」という通称を持つこのくぼみは、実は、筋肉の収縮とはまったく関係なく生じるものだ。

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解剖学専門家の一部は、このくぼみが、骨盤にある解剖学的構造と皮膚を直接つなぐ、短い靭帯によって発生すると考えている。この解剖学的構造は、「上後腸骨棘」という名で呼ばれている。

この「えくぼ」に関しては、笑顔を作ったり、筋肉を動かしたりする必要はない。この部位の皮膚が延びる時に、靭帯が引っ張られて、くぼみが発生する。これは、頬にできるえくぼとまったく同じ原理(固定した構造に、軟組織が通常よりきつく結びつけられているという原理)が、顔と何の関係もない解剖学的部位において適用される例と言える。

えくぼが教えてくれる、人体の解剖学的構造

このように、筋肉ではなく靭帯、頬骨ではなく骨盤という違いはあるものの、同じメカニズムが、体の違う部位で働いていることから、えくぼは単一の遺伝子によって作り出される孤立した形質でないことが、改めて裏付けられる。

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これは、皮膚と筋肉、結合組織が、ある一定の点に集まった時に発動するパターンだ。体の部位に応じて、少しずつ異なる形で発現し、それぞれの仕組みは、固有の発達過程によって説明が可能だ。

従来伝えられてきた顕性/潜性(優性/劣性)遺伝という説明は、一部の血液型や特定の遺伝型疾患といったごく少数の形質に関しては現実に存在し、有用性もある。しかし、これはそもそも、顔面や体に生じる個体による差異の大半を説明するものではない。

というわけで、頬にできるえくぼは、単一の遺伝子の発現によるものではない。これは、口の発達の過程で、少しだけ回り道をした筋肉によって生じ、持ち主が微笑むたびに現れる、目につく特徴になったものなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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