経営・戦略

2026.07.30 14:16

「課題」の落とし穴:B2B企業の成長がなぜこれほど難しいのか

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需要喚起について私に相談してくる企業の多くは、すでに明白な手段を一通り試している。ウェブサイトをリニューアルし、デマンドジェネレーション(需要創出)のエージェンシーを雇う。あるいは、誰かがエイプリル・ダンフォードの著書『Obviously Awesome』を読み、それに基づいたポジショニングのワークショップを実施している。それにもかかわらず、営業パイプラインは上向かず、メンバーは会議室のテーブル越しにお互いの顔を見合わせ、何を見落としたのだろうと頭を抱えている。

見落とされている要素が、実行レイヤーにあることはめったにない。通常はもっと手前の段階、つまり、ほとんどのゴー・トゥ・マーケット(GTM:市場進出)機能やシステムが立ち止まって自問自答することのない問いに潜んでいる。それは、「我々が解決しようとしている課題は、顧客が意思決定を下すほど切実なものなのか?」という問いである。

よくあるパターン

創業者やプロダクト責任者は、それが顧客の現実的な課題を解決すると確信して製品を開発するが、その課題自体が検証されたことは一度もない。それはホワイトボードの上で作り出されたものか、わずかな会話から仮定されたもの、あるいは創業者自身の経験から推測されたものにすぎず、実際にその痛みを抱えているはずの人々を相手に検証されたことがないのだ。

時には、その課題は業務フローのごく一部にすぎず、誰も眠れなくなるほど悩んではいない。時には、問題は実在するが簡単に回避できる。時には、まったく緊急性がない。

企業はポジショニングを怠り、ただ製品を作った。そして需要はついてこなかった。その課題は、人々を行動に駆り立てるほどの商業的緊張感を生み出さなかったのだ。解決しなくても困らない課題に対して、予算が割かれることはなく、意思決定がなされることもない。

マシュー・ディクソンとテッド・マッケンナは、この点に関して有益な発見を示している。彼らの2022年の著書『The JOLT Effect』のために分析された約250万件の営業トークにおいて、見込みのあるB2Bパイプラインの40%から60%が、最終的に「意思決定なし」で終わっている。これは競合他社に負けたのではなく、現状維持へと静かに後退したことを意味する。そして、それらの失注のほぼ半分は、買い手が「その課題は行動を起こすほど重要ではない」と判断したことに起因している。痛みは実在した。しかし、行動を起こすほどひどい痛みではなかったのだ。

課題が十分に痛みを伴わないとき

ここで摩擦(フリクション)が関係してくる。摩擦は痛みを引き起こす。摩擦の少ない課題は、人をいら立たせはするものの、脅威にはならない。人々は回避策を作り、その回避策が機能するため、課題は背景へと追いやられる。これに対し、摩擦の大きい課題は重大な影響をもたらす。コストがかかり、ビジネスをリスクにさらし、あるいは時間の経過とともに悪化する形でシステムを破壊する。これらは意思決定を強いる。摩擦の少ない課題に対しては、「今四半期は見送ります」という丁寧な断りが返ってくるだけだ。

需要の低さは、必ずしも実行力の低さの表れではない。時には、そもそも人を引きつけるだけの力を持たない課題を中心に製品を構築してしまった兆候でもある。これは、「メッセージングを修正しよう」と言われるよりも受け入れがたい事実であり、だからこそ、真の原因を追究しようとするチームがこれほど少ないのだろう。

摩擦をテストする

これを解決するためのすっきりとした公式はないが、課題が本当に痛みを伴うものかどうか、またそれ自体で需要を創出できるほど重大なものかどうかを見極めるために、私がポジショニングの際に応用しているアプローチがある。

「重大」という言葉は、ゼロか百かという二者択一のものではない。それは度合いの問題であり、次の2つの次元でマッピングすることができる。

1. コスト:何もしない場合、買い手はどれほどの資金、リスク、または時間を負担することになるか。

2. 緊急性:今四半期中に解決しなければならないのか、それとも「いつか」でいいのか。

これら2つを形式的、あるいは直感的に掛け合わせることで、その課題がどれほど強力に人を引きつけるかを見極めることができる。

目指すべきなのは、「高コストかつ高緊急性」の領域だ。そうした課題には予算が付き、解決の責任者が割り当てられるため、需要は自ずと生まれる。その対角にあるのは、死の領域である「低コストかつ低緊急性」で、人々がいつまでも喜んで放置するような課題だ。これらの中間に位置する領域は、ビジネスにとって危険である。放置するとコストはかかるが、緊急性はないというケースだ。買い手は課題の存在に同意するものの、結局は先送りする。高コストであるために課題が強力であるように見え、創業者もアプローチを続けるが、緊急性がないため成約に至ることはない。これこそが、大半の「意思決定なし」による失注の背後にある「現状維持の罠」である。

これらを解決するには、市場に直接問いかけることだ。ただし、既存顧客に聞いてはならない。彼らはすでに購入している。つまり、その課題が解決に値することにすでに同意しており、あなたが聞きたい言葉を返してくるだけだ。重要なのは、あなたのカテゴリーに属する見込み客のうち、まだ誰からも購入していない相手との会話である。これには、製品を検討したものの購入を見送った人々も含まれる。ここで、課題が予算枠の近くに位置しているかどうか、そして彼らが緊急性を持ってそれに対処する意思があるかどうかを突き止めることができる。

適切な課題が適切な解決策を導く

課題を発見し定義することは、それ自体がビジネス成長の解決策になるわけではない。それは、より大きなポジショニングの答えを構成する1つの要素にすぎない。解決すべき課題は、以下の整合性を保つべき5つの要素と並び立っている。

1. 企業が創出する独自の価値

2. その価値がどのように提供されるか

3. その価値を規定するカテゴリー

4. 買い手が比較検討している競合他社

5. 買い手自身

ポジショニング戦略は、これら5つの要素に加えて「課題」を明確に示し、自社が選ばれる文脈を定義するものでなければならない。

しかし、解決すべき課題を見誤れば、他の5つの要素の拠って立つ基盤が失われる。いかに鋭い差別化、明確なカテゴリーストーリー、優れた製品があっても、根底にある課題に緊急性や切実さが欠けていれば、需要が伸び悩むことになる。なぜなら、それらが重要になる理由がないからだ。

解決しようとする課題の選択は、それ自体がポジショニングの決定であり、おそらく最も重要な決断であるにもかかわらず、そのように捉えている人はほとんどいない。創業時のアイデアからそのまま受け継いだものとして前提として扱い、重要性の低い課題の上でメッセージを何年も磨き続ける。より本質的で重大な課題を見極めることができれば、そこから導き出される結果も異なり、その痛みがより切実に感じられる明確なターゲット層にアプローチすることができる。

需要は、実行から始まるのではない。選択した課題が、そもそも人を惹きつけるだけの力を持っているかどうかから始まるのだ。

forbes.com 原文

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