AI

2026.07.30 09:41

AIを味方につけた小さなマーケティングチームが勝つ──リーダーが直視すべき現実

Adobe Stock

Adobe Stock

数年前、私は25人近いマーケティングチームを率いていた。AIを導入した現在、私が管理しているのは6人だ。そして、ほとんどのリーダーが口にするのをためらうことをあえて言おう。AIは本物のマーケターを置き換えた。管理業務や雑用だけではない。熟練した仕事をこなす熟練した人材を、AIは置き換えたのだ。

創業者にとっては、心地よい話よりも正直な話のほうが役に立つと思うので、率直に語らせてほしい。

AIは正真正銘のマーケティング職を奪っている

当時のチームの顔ぶれを紹介しよう。

・外部の契約ライターを抱えるコンテンツディレクター

・リスト作成やリサーチを担う2人のマーケティングインテリジェンス担当者

・広告運用やデジタルジャーニーを担当するデジタルスペシャリスト

・自動化エンジンを構築するAIストラテジスト

・全体をまとめるプロジェクトマネージャーと総務担当者

AI技術は、この業務のほとんどを吸収できた。今やコンテンツ制作は外部業者の名簿なしで大規模に実行できる。インテリジェンス、リスト構築、デジタル運用、繰り返し可能な戦略業務は完全に自動化されているわけではないが、専門家がリサーチを引き渡す必要はなく、営業担当者が数分で完了できるようになった。そして、25人のチームを調整するために存在していたプロジェクトマネジメントや管理業務は、規模縮小とともに消えた。今は3人のデザイナーと3人の営業開発担当者(SDR)がAIと並行して働き、以前と同等、いやそれ以上の成果を上げている。

はっきりさせておこう。削減したポジションは埋め合わせ的な役割ではなかった。彼らは正真正銘のマーケティング業務をこなす有能な人材だった。しかし、テクノロジーは今、その仕事を本当に実行できる。AIはインターンレベルの仕事だけを奪うと装うことは、リーダーが本当に起こっている変化と向き合うことから逃げる口実にすぎない。今日マーケティング組織を率いているなら、冷静な目で自分の組織を見つめ、どのポジションが自動化の対象になるかを把握すべきだ──競合はすでにその計算を始めている。

人材の居場所はまだある

重要なのは、マーケティングにおけるAIの議論を逆方向に振ると危険な誤りに陥るということだ。一般的な認識に反して、AIが多くの業務を代替できることと、AIが自律的であることは同じではない。少なくとも現状ではそうではない。私のチームが運用するすべてのワークフローには、方向づけ、チェックし、モデルが自信満々に犯すミスを拾い上げる人間のモデレーターがいる。もしその人を外せば、品質は少し落ちるどころではない。崖から落ちるように急降下し、しかもそれが静かに進むため、被害が公になるまで気づかない可能性が高い。

だからマーケティング組織にとっての選択肢は「役割を消し去る」ことではまずない。高価な専門家を、AIツールを卓越して使いこなすよりコスト効率の高いオペレーターに置き換えるほうが、多くの場合効果的だ。人員は減るが、ゼロにはならない。ゼロにできると言う人間は何かを売りつけようとしている。人件費が消えるまでAIを積み重ね続けることはできない。出力の後始末に費やすコストのほうが、節約分を上回るからだ。今重要になるスキルは判断力だ──何が良いものかを知り、機械がそれを外したときに気づく力である。

ある週に、私の6人チームは複数のレポートと、特定の提案に基づいて最適化された数本のブログ記事を仕上げ、AIが準備・スケジュール済みのSNS投稿も出せる。以前チームが4倍の規模だったときよりも、多くの、質の高いコンテンツを世に出し、検索順位も上がっている。小さなチームのほうが複雑さが少ないため、組織としても整っている。キャンペーンがシャープなのは、AIエージェントがAPIを介してスタックに接続され、リアルタイムでパフォーマンスを監視・追跡するからだ。人が3日遅れでレポートをまとめる必要はない。

絶対に自動化してはならない2つのこと

とはいえ、私が譲らない一線が2つある。どんな創業者にも守ってほしい線だ。

第一に、私はAI営業開発担当者やAI主導のアウトリーチを信じていない。市場は自律的な見込み客開拓を約束するツールで溢れており、そのほとんどがパイプラインを埋めるより速くブランドを毀損するノイズを生成している。アウトリーチの背後にあるリサーチは自動化できるが、見込み客との機能する関係を築くには本物の人間が必要だ。それをボットに委ねることは後退である。

第二に、ブランドは人間味を保たねばならない。ブランドとは、長年にわたって培われる判断力、センス、そして一貫性だ──まさにAIが最も苦手とするものであり、いったん安っぽくしてしまえば取り戻せないものである。ブランド機能を生成プロンプトに矮小化する企業は、後にその代償を払うことになる。だから私は意図的にブランドに人を置き続けている。

マーケティングリーダーが取るべき行動

創業者がマーケティングにおけるAIについて自分に言い聞かせている2つの大きな嘘を、そろそろ手放すときだ。1つ目は古い嘘で、「人員数=野心」というものだ。そうではない。1人あたりのパイプライン量こそが野心を示す指標であり、6人チームが25人チームを凌駕したという物語のほうが、どのボードルームでも強い。市場が引き締まる局面ではさらに持続性のある物語となる。

2つ目の嘘は新しく、より高くつく。「AIは周辺にしか触れないから本質的には何も変わらない」という嘘だ。現実は、AIが今、有能な仕事をする有能なマーケターを置き換えつつあるということだ。この真実を直視できないリーダーは、直視するリーダーに追い抜かれるだろう。

正直な立ち位置は、居心地の悪い中間にある。マーケティング組織の業務を、AIが今の品質で実行できるものと、できないものに仕分けよ──この評価は容赦なく行うこと。前者は切り、後者は守り、正当に報酬を払う。

私は25人から6人になり、仕事の質は上がった。機械がチームを丸ごと置き換えたからではなく、残した6人が機械にできない仕事をこなし、機械ができる仕事のすべてを操縦しているからだ。

Forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事