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2026.07.30 08:51

イェール大学の新研究が示す「復讐は依存症である」

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ジェームズ・キンメル・ジュニアは10代の頃、家族が営むペンシルベニア州の農場で、近所の子どもたちから何年もいじめを受けていた。それはやがて、押したり突き飛ばしたりという範囲をはるかに超えるものになった。彼らはキンメルの家の郵便受けを爆破し、ある夜には一家の飼い犬を殺した。

その数日後の夜、怒りに駆られたキンメルは父親の拳銃を手に取り、加害者たちのトラックを見つけて行く手をふさいだ。銃を手にし、車のドアから足を踏み出そうとしたその瞬間、ふと先を見通すような感覚が訪れ、2つの未来が見えた。1つ目は、自分が望んでいた復讐を果たす未来。もう1つは、自分が逮捕されるか、さらに悪い結末を迎える未来だった。彼は足を車内に戻し、ドアを閉めて家へ戻った。

現在、キンメルはイェール大学医学部の精神医学の臨床教授を務めており、以来数十年にわたってあの瞬間の意味を研究してきた。彼と同僚たちが明らかにしたのは、復讐へと引き寄せられる力が、依存症と同じ筋書きをたどるということだ。

「仕返し」の陰に潜む依存症

神経科学者たちは、恨みを抱き、その後に報復の機会を得た人々の脳をスキャンしてきた。報復の可能性と機会を前にすると、脳の渇望と報酬の回路である側坐核と背側線条体が活性化する。まず、脳の痛みのネットワークである前部島皮質が反応し、それが渇望の合図になっているように見える。一方で、行動する前に費用と便益を比較する前頭前皮質は静まる。

キンメルは、カリフォルニア大学バークレー校のポッドキャスト「The Science of Happiness」の最近のインタビューで、「復讐を考えているときの脳は、薬物を摂取しているときの脳に似ている」と説明した。臨床上の定義では、依存症とは、有害な結果を招くにもかかわらず、衝動に抵抗できない状態を指す。この基準に照らせば、復讐は依存症に当てはまるとキンメルは主張する。

さらに興味深いことに、彼の研究は、「許し」がこれら3つの脳活動すべてを反転させることを示している。人は許すと、痛みのネットワークを落ち着かせ、渇望の回路を停止させ、前頭前皮質の判断を再び働かせることができる。

許しを練習する6つのステップ

キンメルの研究は、誰でも試せるシンプルな許しの実践を示している。相手が自分を許されたと知るかどうかは関係ない。これは相手のためというより、自分自身の神経回路をリセットするためのものであり、必要なのは数分だけだ。次の6つの手順に従えばよい。

1. いまだに抱えている恨みを言葉にする。

2. 感情の高まり(たとえば緊張、怒り、傷つき)に気づく。ただし、自分の感情を裁かない。

3. 許しを無理に起こそうとしない。代わりに、それがどのように見え、どのように感じられるかを想像する。頭の中にイメージを作ってみる。

4. たとえ一瞬の安堵にすぎなくても、自分の感じ方の変化に気づく。

5. 恨みが再び浮かび上がるたびに、その想像上の安堵へ戻る。

6. このプロセスが習慣になるまで繰り返す。

キンメルはこれを「決断としての許し」と呼ぶ。自分自身の癒しのために行う内面的な行為である。重要なのは、「許し」は一瞬で起こる必要はないと覚えておくことだ。時間をかけて、少しずつ許していくこともできる。

なぜ許しを選ぶことが感情知能の行為なのか

キンメルの物語は、感情知能(EI)の物語でもある。彼は、自分の感情的反応が自分の人生をどのように形づくり得たかを認識し、理解することを学んだからだ(悪い方向にも、そして良い方向にも)。感情知能とは、可能な限り最良の結果を得るために、自分の感情と他者の感情を理解し、それに基づいて行動する能力である。

心理学者トラビス・ブラッドベリーによって広く知られるようになった研究が、次のことを示しているのも不思議ではない。

  • EIは仕事の成果のおよそ58%を説明する
  • 高い成果を上げる人の90%はEIが高い
  • EIが高い人は、平均して年間で約2万9000ドル(約475万円)多く稼ぐ

EIは、自己認識、自己管理、社会的認識、関係管理という4つの中核的なスキル領域で構成されている。EIの専門家は、自分自身の感情知能を理解するために、妥当性が検証されたEI評価を受けることを勧めている。

復讐ではなく許しを選ぶことは、まさに感情知能の究極的な行為であり、4つの中核スキルすべてを必要とする。自分が感じている感情を認識するための自己認識、その感情が自分にとって非生産的で有害だと判断するための自己管理、相手とその判断に(たとえ少しでも)共感するための社会的認識、そして相手が許されるに値しないとしても、許しが長期的には自分に実際に利益をもたらすことを理解するための関係管理が必要になる。

復讐と許しという行為を説明するだけでも、復讐という感情をめぐって構築された神経生物学的システム全体を、私たちは実質的にたどったことになる。このことは、1つの感情の中にどれほど多くのものが詰め込まれているかを垣間見せてくれる。これを、平均的な1週間に感じる他のすべての感情に掛け合わせて考えれば、感情知能を築くことが生涯にわたる取り組みであり、「学び終えて」次へ進めるスキルではない理由は明らかだ。

復讐ではなく許しを選ぶことが、人生を救うこともある

キンメルは、自身の前頭前皮質が追いつく直前、復讐のために究極の代償を払うところだった。現在、彼自身の研究は、私たちがそこまで追い詰められる必要はないことを示している。たとえ想像するだけであっても、許しを練習することは自己認識の力を鍛える。その効果は、仕事であれ、人生の他の場面であれ、たった1つの恨みをはるかに超えて広がっていく。

ケビン・クルーズは、感情知能トレーニング企業LEADxの創業者兼CEOである。ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家でもある。無料のEI評価はこちらから受けられる。これは心理学的に妥当性が検証されており、4つの中核スキルそれぞれについてスコアの内訳を示す。

forbes.com 原文

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