市場が求めているもの
ドットコムバブルが崩壊する前、一般の人々はインターネットの力を目にしていた。だがAIについては、誰もが同じように熱心なわけではない。
最近、セントラルフロリダ大学の卒業式で講演した人物は、AIが次の産業革命だと主張してブーイングを浴びた。AIを、大企業が従業員を削減するための手段だと見なす人もいる。最近の解雇は、それが事実かもしれないことを示しているように見える。人々がその技術を自分たちの生活の糧に対する脅威と見ているとき、どうすれば受け入れるよう説得できるのだろうか。
それでも、私はAIに悲観的に聞こえるかもしれないが、実際には毎日AIを使っている。つい最近も、新しいペットについて調べるために利用したし、時事問題から将来の計画まで、あらゆる情報についてGeminiやChatGPTに頻繁に尋ねている。これらのモデルは驚くべきことができ、今後もそうあり続けるだろう。ただし、それを運営する企業が、既視感を抱いている私たちから学ぶならば、である。
第一に、利益をめぐる議論を変えるべきだ。AI企業は、収益化への道筋を見つける必要がある。それも早急にだ。これは決して新しい考えではないが、全米各地でデータセンターの建設が進めば進むほど、人々はAIに背を向ける。コストを削減し、正当な利益を上げられれば、競合他社が乗り切れない局面でも生き残ることができる。
第二に、AIのリーダーたちはAGI(汎用人工知能)や、自分たちが「全知全能のデジタル神」を創造しているといった話をやめる必要がある。そうした発言は、一般の人々に親しみやすい存在だと思わせる助けにはならない。むしろ、彼らが正気なのかどうかを世間が疑う状況を生み出す。
そして最後に、教育に取り組むことだ。AIに対する人々の不安を和らげ、私たちがクリック一つで終末に向かうわけではないことを伝える必要がある。人々を怖がらせるためにつくられた映画を、私たちはあまりにも多く見てきた。映画『ターミネーター』の「スカイネット」のようにAIが自我に目覚めて職を奪う、と言っても誰の助けにもならない。AIがもたらし得る良いことを教えるべきだ。この画期的な技術の利点を示し、人々の関心をつなぎ止めるべきである。
要するに、ドットコムバブルが起きたのは、関係する企業が間違ったものに焦点を当てていたからだ。発想そのものは堅実だった。人々は確かにドッグフードをオンラインで買いたいと思っていた。だがPets.comは、その商品を説得力のある形で実装できていなかった。今日、それを実現しているのがChewy.comである。
AIには説得力のある提案がある。だが現在の実装のされ方は、消費者や一般の人々を遠ざけているように見える。インターネットが消えなかったのと同じように、AIも消えることはない。だが、どの企業が生き残るかは、人々の見方をどう変えるかにかかっている。
こうしたことに取り組めば、この新しい時代を前向きな形で切り開き、起こり得るバブル崩壊を乗り越えて自社を存続させる助けとなる。そうでなければ、優れたアイデアの犠牲者がまた一つ増えることになりかねない。


