高級車を新車で購入する消費者は、かつて名門ブランドのエンブレムを求めていた。評判の高いブランドの名前に、高価格が付いているほど、より上質な体験が得られると考えられていたからだ。しかし、最近の調査によると、新世代の自動車購入者は「上質」という言葉の本当の意味を見直すようになっており、このような旧来の論拠は次第に揺らぎつつある。
今年2月、マツダの北米事業を統括するマツダノースアメリカンオペレーションズ(MNAO)は、国際的広報会社バーソンの調査・分析部門に委託し、過去5年以内に新車を購入した米国の自動車所有者1000人を対象に調査を実施した。その結果には、今日の自動車購入者はブランドの名声に左右されないことが示唆されている。その代わりに、快適性、性能、直感的に使えるテクノロジーなどを含む「運転体験そのもの」こそが、自動車を真に差別化する要素であると、回答者の81%が述べており、ボンネットのエンブレムこそが車を際立たせる要素だと答えた回答者は19%に留まった。
この変化は長い時間をかけて進行してきたものであり、重要な意味を持つ。かつては最高級車のみに搭載されていた機能や装備が、現在では大衆向けの車種にも当たり前のように搭載されている。
数十年前には、パワーウィンドウや電動ドアロック、電動調整式サイドミラーは、豪華な米国車や欧州車の象徴的な装備だった。だが、現在ではほとんどどんな車にも装備されている。プレミアムオーディオシステムやデジタルメーターパネル、オートエアコンにも同じことが言える。かつてクルーズコントロールは快適性重視の贅沢装備としてオプション設定されていたものだが、今や政府によって装備が義務付けられている先進運転支援技術を利用したアダプティブクルーズコントロールが、一般的な機能となっている。



