宇宙

2026.08.02 11:15

超巨大ブラックホールの爆風が30万光年先へ達するとJAXAらが判明

プレスリリースより

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銀河系の中心には巨大なブラックホールがあり、回転軸方向にジェットと呼ばれる超高速のプラズマガスを放出しているが、そのほかに、ジェットの直角の方向に「風」と呼ばれる、やはり超高速の高温ガスが全周に噴出されている。その風の到達範囲は、銀河系の半径とほぼ同じと考えられていたが、JAXAなどによる観測で、じつはその10倍もの遠いところまで及んでいることがわかった。

JAXA、東北大学、金沢大学、東京都立大学からなる研究グループは、JAXA主導で開発されたX線分光撮像衛星XRISMを用いて、地球から約34億光年離れたH1821+643銀河団を観測したところ、その中心部で急成長中の巨大ブラックホールが噴き出す風が、約30万光年もの彼方にまで到達していることがわかった。またそのエネルギーは、それまで考えられていた量の100倍以上である約10の54乗ジュールにのぼっていた。まさに「爆風」だ。

ブラックホールの風には、恒星の材料となる水素ガスを吹き飛ばし、新しい恒星の誕生を阻む役割がある。そうして、銀河系とブラックホールがともに成長できるようコントロールしているわけだ。しかし、観測技術の進歩にともないブラックホールの理解が深まるごとに、その役割に関する知識は次々に更新されている。

この研究を主導した東北大学学際科学フロンティア研究所の山田智史助教は「こうした研究の進展により、宇宙における物質や元素の循環の理解が進み、星や生命を形づくる材料がどのように宇宙へ広がっていったのかという起源の解明につながると期待しています」と話している。

ただでさえ、半径3万光年という途方もないサイズの銀河系をはるかに越えて、ブラックホールの風が宇宙に噴き出していると聞かされても、凡人の頭ではピンとこない。しかも、ブラックホールと銀河系が協調して均衡を保とうとする働きには、壮大で深遠な宇宙の意志のようなものが感じられて、背筋が寒くなる。

出典:宇宙航空研究開発機構(JAXA) ブラックホールの「爆風」、30万光年先まで到達 〜想定の100倍超のエネルギーを発見〜

文 = 金井哲夫

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