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2026.07.29 17:00

ispaceが三菱重工業H3ロケットを選定、月着陸機「ULTRA」を2028年打ち上げ

(c)ispace

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7月29日、日本の宇宙ベンチャーispaceは、2028年に予定される月着陸機「ULTRA」(ミッション3)の打ち上げに、三菱重工業のH3ロケットを選定したことを発表した。

これにより、国産の月着陸機を国産ロケットで日本から打ち上げる「日本初の民間月輸送システム」の構築が実現する見込みとなった。契約料は現時点では未公表。具体的な打ち上げ予定日は示されなかったが、今後の準備期間のなかで、打ち上げの数カ月前には発表するとしている。

ispaceは、2022年と2025年の過去2回にわたり、スペースXのファルコン9ロケットによって月着陸機を打ち上げてきた。しかし、いずれも着陸直前に月面に激突するなどして失敗している。3度目の挑戦となる2028年のM3では、従来機よりもペイロード(搭載能力)が拡大し、最大200kgに対応する新型機「ULTRA」を投入し、国内民間企業として初の月面着陸を目指す。厳密な着陸予定地は現時点では未定だが、月の高緯度エリアにおいて、2週間続く極寒の夜に耐える技術検証などを行う予定だ。

このミッションでは、SBIR(中小企業技術革新制度、経済産業省管轄)で過去最高額となる120億円の補助金のほか、顧客との契約金95億円を含む総額215億円のプロジェクト収益を獲得している。

袴田氏「単なる契約ではない」

今回の記者会見でispaceのCEO袴田武史氏は、「国産ロケットと国産ランダーによる今回の契約は、単なる契約ではない」とし、「日本初の民間主導による月面輸送システム構築に向けた第一歩となる。日本のロケットで打ち上げる喜びを感じている」と述べた。また、ファルコン9とH3の打ち上げコスト差に関しては、金額は明示しなかったものの、「円安効果は期待できる」とした。

2028年見込みのM3で投入されるispaceの新ランダー「ULTRA」(c)ispace
2028年見込みのM3で投入されるispaceの新ランダー「ULTRA」(c)ispace

ispaceのCTO(最高技術責任者)である氏家亮氏は、「新型の月着陸機ULTRAは、現時点ではエンジンを含む基本設計審査を完了した状態にあり、2028年の打ち上げに向け、今後本格的な準備を進めていく。国際輸送能力の高い月輸送サービスを狙う」と述べた。H3の選定に関しては、「H3は打ち上げ能力を含め、打ち上げ環境(種子島)が優れている。着陸船特有の脚のある形状に対し、搭載時の柔軟性の高さが魅力的な部分」とした。

ispaceのCEO袴田武史氏と、三菱重工業の五十嵐巌氏が、この会見の場で契約にサインした。(c)ispace
ispaceのCEO袴田武史氏と、三菱重工業の五十嵐巌氏が、この会見の場で契約にサインした。(c)ispace

三菱重工業の五十嵐巌氏(防衛・宇宙セグメント宇宙事業部長)は、「弊社はH2Aから商業宇宙サービスに対する経験を積み、顧客の要件に沿って物事を解決するという姿勢を深化させてきた」と自負しつつも、「スポーツに例えれば、我々はまだ出場権を獲得した段階。国際的な宇宙開発が激化するなかで、今後の長期的な事業を確実に成功させる必要がある」と語った。

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編集=安井克至

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