学生が企業を知る入口は、企業が用意した採用サイトだけではなくなった。タイムラインを流れてきた社員の投稿や、コメント欄のやりとりから、会社の輪郭をつかんでいく。企業側もその変化に合わせて発信の場を広げているが、知ってもらうことと信じてもらうことは、必ずしも同じではなさそうだ。
SNS・インフルエンサーマーケティングを手がけるリデルが、就職活動中の大学生・大学院生を対象に実施した調査が、その距離を浮かび上がらせた。
公式HPを上回った情報源
学生たちがよく使う就活情報源を重視度でスコア化した結果、SNSは企業の公式採用HPを上回って、就活ナビサイトに次ぐ2位に入った。企業が最も手をかけて整えている場所より、学生の日常の中に流れてくる情報のほうが実際には多く参照されているということになる。

その入口としての機能は、行動にもつながっている。SNSで偶然見た投稿がきっかけで、それまで知らなかった企業に興味を持った経験がある学生は68%にのぼり、そのうち約半数にあたる51.5%は、エントリーや説明会参加といった実際の行動にまで進んでいた。出会いの場としてのSNSは、すでに十分に機能していると言っていいだろう。

学生は必ず裏取りをする
ただし、学生はそこで見た情報をそのまま受け取ってはいない。企業を知ったあとの行動を尋ねると、口コミサイトで評価を確認する学生が44.0%で最も多く、社名と「辞めたい」や「ブラック」を組み合わせた検索(36.0%)、社名と残業やパワハラを組み合わせた検索(28.0%)と続いた。口コミ確認かネガティブ検索のいずれかを行う学生は、79.0%に達している。

企業が発信した情報を、企業が関与できない場所で照合してから判断する。この手順が例外ではなく前提になっているとすれば、発信の巧拙よりも、裏を取られたときに食い違いが出るかどうかのほうが効いてくることになる。



