経営・戦略

2026.07.29 14:00

ボーイング、大統領専用機の「納期遅延」で460億円の損失計上

Andrew Harnik/Getty Images

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ボーイングは第2四半期決算で大統領専用機「エアフォースワン」2機の納入遅延による損失として2億8000万ドル(約459億円)を計上した。政府との固定価格による契約の誘惑にかられる企業にとって、同社の事例は大きな教訓となっている。

同プロジェクトのスケジュールは当初の予定から数年遅れており、当初は2024年とされていた初号機の納入は現在では2028年に変更されている。

第2四半期決算全体での純損失は4億2800万ドル(約701億円)となり、前年同期の6億1200万ドル(約1003億円)の赤字から改善した。

また、民間航空機の納入数は前年同期比で14%増加し、150機から171機へと増加した。

米航空専門誌のアビエーション・ウィークによると、ボーイングが2018年に政府との契約を結んで以来、エアフォースワン関連の損失は合計で28億ドル(約4600億円)にのぼるとされている。

2018年、ボーイングは約39億ドル(約6400億円)の固定価格契約で2機のエアフォースワンを製造することに合意した。これは、コスト超過の大部分を米政府ではなくボーイング側が吸収することを意味する。大統領専用機は、世界中で使用できる安全な通信機能、ミサイル防衛システム、空中給油能力、耐磁・耐熱強化配線システムなどを備えた「空飛ぶホワイトハウス」に改造せねばならず、一般の民間機よりもはるかに複雑である。契約締結から数年後、当時CEOを務めていたデイブ・カルフーンは、この固定価格での契約を「引き受けるべきではなかったかもしれない」と語っていた。

米国時間7月28日、ボーイングは第2四半期に計上した2億8000万ドル(約459億円)の損失について、2028年の納期に間に合わせるための「追加の生産および認証リソース」によるものだと説明した。しかし、ボーイングの幹部らはコストが今後も膨らみ続けると考えている。同社の防衛部門トップであるスティーブ・パーカーは、今年7月に開催されたファーンボロー国際航空ショーで記者団に対し、「最終組み立てを進め、配線や構造を完成させ、認証を取得するプロセスの中で、ある程度のコスト増加が見込まれる」と語った。なお、契約締結当時、米空軍は「納税者の負担を14億ドル(約2300億円)以上削減した」と強調していた。

昨年、ドナルド・トランプ大統領はカタールから4億ドル(約700億円)相当のボーイング747型大統領専用機を受領した。カタール首相はこれについて、「賄賂ではなく、同盟国間で通常行われること」だと主張している。7月、トランプは安全保障上の懸念からこの機体での移動を一時的に取りやめ、トルコから英国への移動の際には旧型のエアフォースワンを使用したが、アンドリューズ空軍基地への復路では再びこの新しい専用機に乗り換えた。その数週間後、トランプは同機体にさらなる安全性のアップグレードを施すと述べた。直近の試算によると、カタールから贈られた機体の改修費用は合計で約10億ドル(約1600億円)にのぼる。なお、トランプが退任した後、同機は今後設立される予定のトランプ大統領図書館へ移管される予定だ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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