北米

2026.07.29 08:11

見通せぬ時代の自信──2026年下半期、米国ビジネスの行方

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「不確実性」という言葉は、ここ5年近く、ほぼすべてのビジネス見通しに登場してきた。あまりに長く使われすぎて、その意味がほとんど失われつつあったほどだ。しかし、2026年はこの言葉に新たな定義を与えた。

これは、パンデミックやサプライチェーンの崩壊による受動的な混乱ではない。進化を続ける関税政策、ピークは過ぎたものの、一部の予測よりも粘り強く推移しているインフレ、再び急騰したエネルギーコスト(要登録)、そして多くの組織が追いつけないほどの速度で進むAIの加速である。

ここには、耐え忍べば過ぎ去るような単一の混乱など存在しない。これこそが現在の経営環境なのだ。

したがって、年央時点で注目すべきは、企業がいかに苦しんでいるかではなく、その多くがいかにうまく適応しているかである。2026年前半に起きたこと、そして物流企業のCEOとして私が目にしていることを踏まえると、今年後半の展開を左右し得るいくつかのテーマが浮かび上がっている。

業績は景況感を上回っている

第1四半期の数字は、見栄えのするものではなかった。GDP成長率は約2%で、堅調ではあるものの、2025年後半に記録した平均2.8%を明らかに下回った。個人消費は底堅さを保ったものの、第1四半期は1.6%に減速した。その前の数四半期はより強い勢いが続いており、企業信頼感指数も低下した。

だが、際立っているのはここだ。業績は、景況感が示唆していたよりも持ちこたえた。中小企業(SME)全体を見ると、当社のDHL Express U.S. Mid-Year 2026 SME Surveyでは、年央時点までに大半の企業が業績予想に達しているか、それを上回っていることがわかった。

これは幸運ではない。数年にわたり苦労して身につけた業務運営上の規律の成果である。パンデミックによる混乱、積極的な金融引き締めサイクル、そして現代では例を見ない関税環境を乗り越えるなかで、多くのビジネスリーダーはシナリオプランニング、キャッシュフロー管理、コスト構造への柔軟性の組み込みを着実にうまくこなせるようになった。逆境が、予測する力を鍛えたのである。

海外成長はより選別的になっている

規制の複雑化、関税、変化する通商政策により、新たな市場に参入する前に必要なデューデリジェンスの水準は高まっている。その結果、多くの企業は、既存の顧客需要、確立された貿易関係、またはより低い業務リスクを生かせる市場を優先している。また、拡大を棚上げしている企業もある。

当社の調査によると、回答者の半数超が今年、海外展開計画を延期または再検討しており、42%は2026年後半に新たな海外市場を追求しないと回答した。

理解すべき重要な点は、グローバル商取引は依然として、ほとんどの中小企業がいつまでも無視する余裕のない成長のてこであるということだ。この時期を戦略的に活用し、貿易コンプライアンス能力を構築し、調達網を多様化し、状況が完全に安定する前に対象市場での関係を育てている企業は、将来への備えに投資している。より明確な見通しが戻ってきたとき、そしてそれはいずれ戻るが、そうした企業はゼロから始める必要がない。

より大きな教訓は、撤退ではなく再調整である。2026年をグローバル市場で最も力強く終える企業は、完全に立ち止まった企業ではないだろう。むしろ、その一時停止期間を利用して、どこで、どのように成長するかをより賢く見極めた企業であるはずだ。

AI格差は成長格差である

2026年前半における重大な出来事の1つは、AI導入に積極的に取り組む企業と、依然として静観している企業との間の格差が拡大していることだ。大手クラウドプロバイダーは、設備投資へのコミットメントを昨年から約60%増加させており、これはAIインフラの構築が頭打ちになるどころか、加速していることを示している。

多くの中小企業はそのペースに追いついておらず(実際、当社の調査によると、43%がAIをまったく使用していない)、その理由は十分に理解できる。大企業向けの展開を想定して設計されたツールは、少人数のチームと限られた予算で運営する企業に、必ずしも容易に適用できるものではない。多くの事業者にとって、AIはいまだに複雑で、高価で、あるいは単に自社の実際の働き方に合わせて作られていないものに映っている。

しかし、生産性とコスト効率に関わる意味合いは、いつまでも先送りできないほど大きい。顧客エンゲージメント、需要予測、コンプライアンスの自動化、業務ワークフローなどで実用的な導入の足がかりを見いだす企業は、2020年代後半に構造的な優位性を持ち込める可能性がある。

これはリーダーにとって何を意味するのか

2026年の米国中小企業を取り巻く環境は、これまでのところ、慎重な楽観と実務的な投資によって特徴づけられている。

中小企業は過去数年間、混乱への適応に費やしてきた。そして多くは、より強く、より機敏に、変化に対応する備えをより整えた状態でそこから抜け出している。今日の焦点は、あらゆる機会を追いかけることではなく、どこに投資し、どこに拡大し、どのようにより効率的に運営するかについて、より賢明な判断を下すことにある。

多くの意味で、それこそが2026年を定義するビジネス上の教訓かもしれない。持続的成長は、予測よりも、規律、適応力、実行力の上に築かれる傾向を強めている。

今後数カ月で成功する企業は、必ずしも未来を最も正確に予測できる企業ではないだろう。おそらく、未来に最も効果的に対応できる企業である。

forbes.com 原文

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