経営・戦略

2026.07.29 08:02

人事評価は「創造性」が死にゆく場所である

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大半の企業は、将来の業績を実際に予測できる唯一の要素を除いて、あらゆるものを測定している。私が協働している企業は、創造的な従業員を求めているとしばしば口にする。それにもかかわらず、ノルマの達成やチケット(問い合わせ)のクローズ、期限の遵守など、過去にすでに起きたことだけを測定する評価制度を構築してしまう。これは、バックミラーだけを見て運転し、なぜ目的地にたどり着くのがほぼ不可能なのかと首をかしげているようなものだ。

定義上、創造性は前四半期のスコアカードには表れない。

問題は、従業員の学習が早いことだ。最も安全な人事評価のスコアは、新しいことに挑戦することではなく、前回うまくいったことを繰り返すことで得られる。だから、彼らはそうする。何度も何度も繰り返すのだ。それは安全だが、創造的ではない。

では、どうすればよいのだろうか。解決策は、説明責任をなくすことではなく、何をもって「良い成果」とするかの定義を広げることだ。つまり、結果には結びつかなかったものの、筋の通った挑戦を評価に含めることである。

そんなことが本当に可能なのだろうか。幸いにも、方法はある。生気のない人事評価のマンネリを打破し、従業員をワクワクさせ、活力を与える創造性のエンジンへと移行させるために、私が企業を支援する中で実践している3つの方法を紹介しよう。アウトプットの指標と判断の指標を区別すれば、従業員の創造性を引き出すことができる。具体的な方法は以下の通りだ。

成果だけでなく、挑戦そのものを評価する

現在追跡している指標に、新たな正式なカテゴリーを追加する。それを「スイング数(打数)」や「シュート数」、「ゴールへの挑戦」、あるいは挑戦やよく考えられた努力を表す言葉と呼ぶとよい。

重要なのは、結果的にうまくいかなかったとしても、筋の通ったアイデアであれば、評価のマイナス要因ではなくプラス要因としてカウントされるようにすることだ。

多くの従業員は、新しいアイデアを実行に移すことを恐れている。なぜなら、そもそも挑戦したことを評価するよりも、そのアイデアが失敗したことを測定する場合の方がはるかに多いからだ。

ならば、それを改めればよい。試みた挑戦という新しいカテゴリーを設け、バランスの取れた良い人事評価につながる加点項目にするのだ。

最低限のリスクを「必須要件」として設定する

多くの人事評価は、リスクを徹底的に回避しようとする。そうではなく、各従業員に一定のリスク要件を設け、リスクテイクに報いるようにするのだ。

そう、聞き間違いではない。各従業員の業績評価の一部として、リスクテイクを組み込むのだ。

リスクテイクを必須とするカテゴリーを作り、社内で高い評価を得るためにクリアしなければならない最低限の基準(しきい値)を設定する。

これは、取引先を変更するリスクでも、新しい購買計画に踏み切るリスクでも、その部門で新たな採用を行うリスクでもよい。これにより、従業員は「いつも通り」の結果というコンフォートゾーンの外に踏み出すよう促される。

その結果、日々のプロセスにリスクを取り入れることにためらいがちな従業員からも、より多くの創造性とイノベーションが生まれる。なぜなら、通常の人事評価の一環として、一定のリスクを取ることが求められるようになるからだ。

従業員に「拒否権」を与える

追跡している指標の中から、従業員が自分で選んだ1つの指標を評価対象から外せるようにする。追跡しているどの指標でも構わない。ここでの創造的なアプローチは、従業員の裁量で指標を1つ除外できるようにすることだ。

これにはどのような効果があるのだろうか。

これにより、従業員は追跡されているKPIの中で的外れだと感じるものを1つ選び、別の指標にするよう主張できるようになる。実際にやってみると、本当に驚くべき結果が得られる。私が目にしてきたのは、企業側が「まさかこれが拒否されるはずがない」と思うような指標が、真っ先に削られるということだ。

最前線にいる現場の従業員にとって、一見論争の余地がなさそうな指標が、実は大きな問題であり、仕事に重大な影響を及ぼしていることがある。この手法から生まれる創造性は素晴らしい効果をもたらす。従業員自身に評価のバランスを整える決定権を与えるため、従業員の満足度向上にもつながるのだ。

現代の職場において、人事評価は他のあらゆるものと同様に、再構築される必要がある。AI時代においてはなおさらだ。AIが「目標数値を達成したか」という定型業務を吸収し始めるにつれ、それだけを測定する評価制度は、誰もが予想する以上の速さで時代遅れになる。そして、企業の競争力を著しく損なうことになる。そうではなく、「何か新しいことに挑戦したか」と問いかける企業にこそ、組織に引き留める価値のある優秀な人材が集まるのだ。

forbes.com 原文

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