マーケティング測定企業Measuredの最高経営責任者(CEO)であるトレバー・テストウイドは、Snapchatについて、マーケティングにおいて最も見過ごされている成長プラットフォームの一つだと指摘する。
それは事実だ。Snapchatがソーシャル広告の領域に参入したのは10年以上前のことである。しかし、大半のブランドにとって、同プラットフォームは依然として二の次の予算配分先か、あるいは四半期ごとの計画プロセスで主導権を握る他のプラットフォームの陰に隠れた、単なるリーチ獲得の手段にとどまっている。
Snapchatは5月、目標ベースの新たな入札機能を導入し、チャットテイクオーバーやクリエイターによる配信枠を含むSponsored Snapsのフォーマットを拡充した。同時に、広告配信や予算最適化にわたるAI活用の自動化ツールも幅広く展開した。
これらの変更は大きな効果をもたらした。Measuredの顧客におけるSnapchatの採用率は11.1%上昇し、増分投資収益率(iROAS)の中央値は36.2%上昇した。
「われわれは業界全体でイノベーションを大きく推進してきた」と、Snapchatのグローバルエージェンシーおよび戦略アカウント責任者であるエイドリアン・マルリャンは語る。「ギャップを埋められる多くのプロダクトを投入してきた。マーケターが目標を達成するのを支援できるプロダクトが幅広く揃っている」
このレポートは、Snapchatが大規模に成果を出せるプラットフォームであることを示している、とマルリャンは述べ、こう付け加えた。「明らかに、今回の調査は特に小売業者に焦点を当てている。当社のプラットフォームには多くの小売業者が参加しているが、さらに増える余地は常にあると考えている。今回の結果は、業界、代理店、ブランドに対し、われわれが広告プラットフォームを再構築したことを強く示すものになるだろう」
「Snapchatは何年もの間、過小評価されてきた。われわれが交わしてきた議論の多くは、現在のSnapchatがどのようなものであるかについての誤解を解くことに終始していた」とマルリャンは語る。「われわれにはユニークなオーディエンスがいる。今回の結果とオーディエンスを見れば、それがユニークなものであると信じてもらえるはずだ」
マルリャンによれば、Snapchatユーザーの92%が買い物のプロセスに友人を関与させ、73%がブランドや製品を友人・家族に推薦しているという。「10億人のユーザーが日々購入について話し、日々購入を推薦している」と同氏は述べた。
コンサルティング会社AlixPartnersの小売部門パートナー兼マネージングディレクターで、ファッションプラクティス責任者のソニア・ラピンスキーは、Snapchatは「非常に戦略的に活用できるが、小売業者はより規模の大きなプラットフォームに目を向けがちで、そこ(大手のプラットフォーム)の方が投資対効果が高いと思い込んでいることが多い」と指摘する。
「小売業者からは、若い消費者にアプローチするにはどうすればよいか、とよく尋ねられる」とラピンスキーは言う。「われわれの調査では、ティーンエイジャーがSnapchatに多くの時間を費やしていることが分かった。彼らはソーシャルメディア全般に1日平均5時間を費やしており、SnapchatはInstagramやFacebookを抑えて3位にランクインしている。若いオーディエンスにアプローチし、彼らのライフサイクルのより早い段階で顧客として取り込みたいと考えているなら、Snapchatは優れた手段だ」
Snapchatは、仲間内での発見や推奨が購買につながりやすいファッション、ビューティ、ゲームといったカテゴリーに偏っているとした上で、ラピンスキーは同プラットフォームを「ソーシャルで家族向けにもふさわしい環境」であると評価した。
Measuredがポートフォリオ内のEコマースブランド130社を対象に実施した調査によると、Snapchatはソーシャル広告支出のわずか5%しか占めていないにもかかわらず、2.84ドル(約1万未満円)のiROAS(中央値)をもたらしており、これは同じブランドにおけるすべてのソーシャル広告が生成した総合的な増分リターンよりも19.3%高い数値である。
Snapchatに広告を出稿したブランドは、同プラットフォームに投資しなかったブランドと比較して、検索およびソーシャル全体における増分リターンが12.9%高かった。調査対象となったブランドは広告予算の63%以上を検索とソーシャルに割り当てていたため、この増加は重要な意味を持つ。
予算の大部分を消費するチャネルにおいて、たとえわずかな改善であっても、マーケティング効率にきわめて大きな影響を与える可能性がある。
「今年、世界全体でメディアに費やされる金額は1兆ドル(約164兆円)を超えるだろう」とテストウイドは述べた。「それにもかかわらず、多くのブランドが依然として5000万ドル(約82億円)、7500万ドル(約123億円)、あるいは数億ドルもの資金を投じながら、貢献度を正確に表していないラストタッチ(最後の接点)の指標を活用している」
「業界はより強力な測定方法、すなわちインクリメンタリティ(純増効果)測定へと移行しつつあるようだ」とテストウイドは語る。「これはEコマースに限った話ではない。それが今、われわれが目にしている状況だ。Snapにはチャンスがあると考えている」
「支出のごく一部にすぎないが、利用している人々にとって、Snapchatは強力な成果をもたらす可能性がある」とテストウイドは同プラットフォームについて語った。「われわれが特定したもう一つの知見は、ハロー効果(後光効果)、それも極めて有意義なハロー効果だ。メディアが結果に与える一次的な影響があり、さらに二次的なハロー効果が存在する。今回の調査ではその点に焦点を当てた」
これらのハロー効果は、プラットフォームのレポートには表示されない。マーケターがメディアミックス全体で増分パフォーマンスを測定して初めて可視化され、Snapchat自体のプラットフォーム内で生成される売上を超えた貢献が明らかになる、とテストウイドは説明した。
コンバージョンへの貢献度をすべて最後の接点に帰属させるマーケティングのアトリビューションモデルに言及し、「われわれは市場に対し、ラストクリック(の評価方法)はアップデートされたのだと伝えようとしている」とマルリャンは述べた。「われわれはプラットフォーム全体を通じて、そこに増分効果が存在し、より深い成果をもたらすことができることを証明していく」



