教育

2026.07.29 07:18

学士号は「完成品」ではない――生涯を支えるOSへ

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学士号は、近代史において最も成功した社会的発明の1つである。何世代にもわたり、私たちは学士号を「完成品」として捉えてきた。しかし、少なくとも今日、そしてこれからの未来においては、それは誤った捉え方だ。高等教育機関が学部学位に対して犯している最大の過ちは、学生が卒業した時点でそれが終了すると想定していることである。

学生は専攻を選び、定められたカリキュラムを修了し、卒業要件を満たし、学位記を受け取ってキャリアをスタートさせる。学位は「修了」、すなわち4年間(多くの場合5年間)の学修の集大成を意味し、多くの卒業生にとって大学との公式な関係の終わりを意味する。これは社会に極めてよく貢献してきたモデルだ。しかし、もはや存在しない世界のために設計されたモデルになりつつある。

例えば、2028年に機械工学の学位を取得して卒業する学生を思い浮かべてほしい。彼女は2035年に人工知能(AI)の修了証明書(サーティフィケート)を取得するために大学に戻る。2045年にはエネルギーシステムを学ぶ。そして2055年、役員ポストへの就任に伴い、リーダーシッププログラムを修了する。

今日の卒業生は、生涯に何度もキャリアを変えることになる。彼らはAIと協働し、まだ開発されていないテクノロジーに適応し、予測困難な経済的、社会的、環境的課題に直面する。学生時代に習得した知識や技術的スキルは、今後も不可欠であり続けるが、それだけでは十分ではなくなる。

高等教育界はこの現実を大筋で認識している。大学は今や、生涯学習、労働力開発、マイクロクレデンシャル(個人が習得した細かいスキルや学習歴の証明)、デジタルバッジ、スタッカブル(積み上げ型)サーティフィケートについて日常的に語るようになった。しかし、高等教育のエコシステム全体において、進展した、あるいは定着したと言える新しい取り組みは比較的少ない。多少の進歩はあるものの、その歩みは遅く、きわめて局所的であり、設計段階で十分に具体化されていないことが多い。つまり、高等教育の持続可能で拡張性のある進化として構想されたものというよりは、目先の状況に対する条件反射的な反応や、好機に乗じたその場しのぎの対応にとどまっている。

これらは確かに重要なイノベーションだが、誤解されやすいものでもある。議論の多くは、サーティフィケートを新しい教育製品、すなわち学位の代替手段、学位の縮小版、あるいは主に労働力開発のために設計された資格として扱っている。

しかし、筆者はもっと重要なことが起きていると考えている。サーティフィケートが高等教育を変えているのではない。それらは、高等教育のアーキテクチャ(構造)が変化しつつあることを示しているのだ。

学士号はもはや、「完成品」として理解するのが最適ではない。それは、生涯にわたる人間のオペレーティングシステム(OS)の基盤になりつつある。この表現は最初は奇妙に聞こえるかもしれないが、実際のOSがどのように機能しているかを考えてみてほしい。

OSはすべてのタスクを自ら実行するわけではない。そうではなく、時間の経過とともに新しい機能を追加、更新、洗練、統合するためのアーキテクチャを提供する。サポートするアプリケーションが進化し続けても、OS自体は安定した状態を保つ。高等教育についても、そのように考えるのがより適切かもしれない。

大学教育の真の目的は、単に情報を伝達することではなかった。大学が育むのは、判断力、知的好奇心、倫理的推論、コミュニケーション、定量的思考、創造性、レジリエンス(回復力)、そして学び続ける能力である。これらの普遍的な能力こそが、その後の職業人生を支えるOSを形成する。

これに対し、技術的スキルは絶えず進化する。AIはあらゆる職業を変貌させつつある。1世代前には、サイバーセキュリティは学部の分野としてほとんど存在していなかった。データサイエンス、高度な製造技術、量子技術、合成生物学、その他無数の分野が、労働市場を再編し続けている。今から20年後、今日の卒業生は、大学がまだ名付けることすらできない能力をほぼ確実に必要とするようになるだろう。

だが、それを懸念する必要はない。むしろ、OSはそもそも、将来のあらゆるアプリケーションを最初から内包するように設計されているわけではないことを思い出させてくれる。その目的は、絶え間ない適応をサポートすることにある。

この視点に立てば、積み上げ型のサーティフィケートはまったく異なる役割を担うことになる。それらは学位の代替品ではない。単なる追加の資格でもない。生涯にわたって価値を持ち続ける教育的基盤に、新しい機能をインストールするための仕組みとなるのだ。

ある卒業生は、工学の学位を取得してから5年後にAIのサーティフィケートを取得するかもしれない。別の卒業生は、キャリアを重ねて数十年後に、プロジェクト管理、サイバーセキュリティ、ヘルスケア分析、起業家精神、あるいはサステナビリティ(持続可能性)の専門知識を追加するかもしれない。学問分野の専門性を深めるサーティフィケートもあれば、キャリアの道筋においてまったく新しい専門分野への転換(キャリアピボット)を促すものもある。いずれも、学習者が最初からやり直す必要なく、能力を拡張できる。学位は基盤であり続け、OSは進化し続ける。

このOSは、相互に連携(インターオペレート)する4つの異なる「レイヤー(階層)」から構成されていると考えることができる。すなわち、知識レイヤー(何を知っているか)、能力レイヤー(何ができるか)、判断レイヤー(どのように意思決定するか)、そして適応力レイヤー(どのように学ぶか)である。

この考え方は、大学と卒業生との関係性も変化させる(これについては、筆者が最近執筆した「60年間の学位」でも触れている)。高等教育の歴史の大半において、卒業は教育課程の無事な修了を意味していた。そのため、同窓生との関係は、つながりの維持や寄付、スポーツ、大学への愛着といったものに焦点を当ててきた。

しかし、もし卒業が別の意味を持つとしたらどうだろうか。それが60年間に及ぶ教育パートナーシップの始まりを意味するとしたらどうだろう。そのような世界では、大学はもはや完成品を提供する機関ではない。大学は生命システムを管理する存在となる。この違いは重要だ。生命システムは適応し、成長し、変化する環境に反応し、自身を定義づける特性を捨てることなく、新たな能力を発達させる。

高等教育は、その使命の他の部分において、常にこの原則を理解してきた。研究大学は、絶えず進化する知識を構築している。イノベーション・エコシステムは、時代とともに適応する学問分野を結集させる。科学的発見は、最終的な答えではなく、絶え間ない精緻化にかかっている。教育も同じ発想で設計されるべきだ。

一部の批判的な人々は、サーティフィケートの拡大が、高等教育を単なる労働訓練へと格下げし、学習を断片化させてしまうのではないかと懸念している。大学の目的は雇用支援の枠をはるかに超えているため、その懸念は慎重に検討されるべきだ。大学は、見識ある市民、思慮深いリーダー、創造的な問題解決者、そして地域社会を向上させる能力を持つ個人を育成する場所である。

そうした不変の目的は、生涯学習の世界においても消え去ることはない。それどころか、むしろ重要性を増す。OSがあるからこそ、卒業生は技術的な適性だけでなく、知恵を持って技術革新やキャリアの転換、予期せぬ課題を乗り切ることができる。OSがアーキテクチャを提供し、サーティフィケートが進化する能力を提供する。その両方が不可欠なのだ。

このように考えることは、大学が自らの前提の多くを再考すべきであることを示唆している。

  • 履修指導は、次の学期の科目選びから、数十年にわたる学習の旅路を設計することへと変化する。
  • AIが、学習者が新たな機会を見出し、将来の教育パスを推奨するのを支援する。
  • 成績証明書は、過去の記録ではなく、現在進行形の生きた記録となる。
  • 同窓生は、継続的な学習者となる。
  • 大学は、卒業式で業務を終了する機関ではなく、人間開発における生涯のパートナーとなる。

一部の大学は、すでにこの未来の断片的な試みを始めている。サーティフィケートを拡充し、柔軟な資格認定制度を導入し、雇用主との関係を強化し、生涯学習に投資している。これらの進展は心強いものだ。しかし、それらを変化そのものと誤認すべきではない。真の変革は概念的なもの、すなわち、教育を製品と捉える視点から、生命システムとして理解する視点への移行なのである。

歴史が示すように、高等教育は社会のニーズの変化に合わせて周期的に自己変革を遂げてきた。ランドグラント(土地付与)運動は、大学を農業や産業と結びつけながら教育へのアクセスを民主化した。近代的な研究大学は知識の創造を変革した。オンライン教育は、物理的なキャンパスを超えてアクセスを拡大した。

次の変革も同様に重大な結果をもたらすだろう。それは、大学が学士号を廃止するからではなく、ついにそれをゴールラインと見なすのをやめるからである。

おそらく学士号とは、目的地などではなかったのだ。それは常に、OSだったのかもしれない。そして、これからの数十年間で繁栄する大学とは、自らの最も永続的な責任が、単に学生を4年間教育することではなく、その後60年間にわたる学習、労働、リーダーシップ、奉仕、そして繁栄を支えるOSを絶えず強化していくことにあると認識する大学なのだろう。

forbes.com 原文

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