米国時間7月28日、米中央軍とアラブ首長国連邦(UAE)は、軍事用AIツールの開発加速に特化した初の二国間タスクフォースを立ち上げると発表した。米国防総省が商用AIモデルの使用条件をめぐってアンソロピックと対立を深める中での発表となった。
米中央軍は28日、AI、データ、サイバーセキュリティ分野の米・UAE両国の専門家が、UAEの首都アブダビに拠点を置く「タロン・シナプス」と呼ばれるタスクフォースに参加し、数週間以内に正式発足させると発表した。
米中央軍によると、同タスクフォースは情報収集、重要インフラの防護、そして「地域安全保障環境の監視」を目的としたAIアプリケーションの活用に注力する。同組織の目標は「迅速かつ大規模なイノベーションの推進」にあるという。
今年6月、米政府の当局者はUAEに対する輸出規制を緩和した。これにより、AI半導体、軍事用品、一部の商用人工衛星、宇宙船などの輸出が容易になったほか、UAE政府はライセンス不要で高度なコンピューティング製品にアクセスすることが可能となった。
米商務省は規制緩和の背景として、UAEとの長年にわたる安全保障上のパートナーシップに触れ、今年2月に始まった「エピック・フューリー作戦」において、UAEが「米国の国益を推進する上で重要な役割を果たした」と述べた。
UAEはAIインフラの構築や研究、米IT大手との連携に多額の投資を行っており、米国の戦略的な技術パートナーとしての地位を築いている。今回のタスクフォースは両国間の安全保障関係を深めるだけでなく、同盟国が中国の技術に頼るのを防ぎ、米国製のAIシステムを安全保障の標準として確立させる狙いもある。米中両国は、標的の迅速な特定からドローン運用、膨大な戦場データの分析に至るまで、戦争のあり方を根底から変えうるAI能力の開発で激しい競争を繰り広げている。



