キャリアチェンジは仕事上の決断として捉えられることが多いが、多くの労働者にとっては健康に関する決断でもある。キャリアチェンジを支援するCareershifters(キャリアシフターズ)がキャリアチェンジに取り組んでいる1万1500人超を対象に2026年に行った調査では、73%の人が仕事が人生全体の満足度に悪影響を及ぼしていると答えた。そう回答した人の91%は仕事がメンタルヘルスを損なっていると指摘した。
転職を望む理由は給与の問題だけではなかった。支援が不十分あるいは不健全という点を指摘する声が最も多く、ワークライフバランスの悪さ、価値観の不一致が続いた。さらに多くの回答者が、仕事が身体の健康や人間関係、趣味や興味のあることに取り組む力にも影響を及ぼしていると答えた。
キャリアチェンジをすれば自動的に健康やウェルビーイングが向上するわけではない。だが仕事が慢性的なストレスを生み出し、自分のコントロール感を損なっていたり自分の価値観と合わなくなっているなら、進路を変えることが生活の質を向上させる助けになる可能性がある。
職場での慢性的なストレスの軽減
職場におけるストレスの1つの形態として仕事の負担がある。これは、多くを求められる一方で、仕事の進め方に関してほとんど裁量がない状態を指す。もう1つの形態は努力と報酬の不均衡であり、自分が費やした時間やエネルギーに見合うだけの報酬や評価、昇進、雇用の安定が得られないときに生じる。
その影響は、単に圧倒されているという感覚にとどまらない。約20万人の労働者を対象とした欧州の13件の研究を統合したメタ分析では、社会経済的地位や生活習慣といった要因を考慮した後でも、仕事の負担は虚血性心疾患のリスクが23%高まることと関連していた。別の18年間にわたる研究では、仕事の負担または努力と報酬の不均衡のいずれかにさらされた男性は虚血性心疾患のリスクが49%高いことが明らかになった。キャリアチェンジは負担を生み出している状況を取り除き、持続不可能な環境を仕事の進め方についてより大きな裁量を持てる環境へと変えることで負担を軽減できる可能性がある。



