経営・戦略

2026.07.28 20:28

ドバイで起業する前に、グローバル起業家が知っておくべきこと

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起業家がドバイの規制や制度に引きつけられることは多い。多くの人が、それらを事業設立に適したものと見ているからだ。近年、より広範な地政学的不確実性が強まるなかでも、ドバイは適応力と機動性を備えたアプローチを取ってきた。

私は16年にわたりドバイで事業を築いてきた。初めてこの地に来て以来、地域の不安定さは相応に目にしてきた。しかし同時に、そうした状況を通じて揺るがず、世界中の観光客、投資家、人材、起業家を引きつけ続けるドバイ独自の力も見てきた。

ただし、ドバイへの進出を検討するリーダーは、十分な情報に基づいて判断するために、直面し得る機会と課題の双方を理解しておくべきである。

不確実性のなかのドバイのビジネス環境

ドバイは、その世界的な立地「にもかかわらず」ではなく、その立地「だからこそ」成長した都市であると私は考えている。企業は、欧州のサービス、アラブの資本、アフリカの天然資源、アジアの製造業を、グローバル投資と起業の結節点で結びつけることができる。

イラン紛争は地域の大国にとって大きな課題となっており、ドバイも適応を迫られてきた。例えば政府は、ホスピタリティのような影響を受けやすい産業を保護するための措置を講じている。4月から9月にかけて、ドバイ行政評議会は、ホテル販売手数料の支払いを延期し、ホスピタリティ関連の一部ライセンス料を繰り延べる短期の10億ディルハムの支援策(本稿執筆時点で2億7000万ドル(約442億円)超に相当)を実施し、キャッシュフローを下支えしている。世界的なパンデミックの際にも同様の支援が見られ、不安定な時期を通じて企業を支えた。

今年のドバイでは、前向きな展開も見られた。例えば、ドバイ最大の外国生まれ人口であるインド系コミュニティは揺るぎない姿勢を保っている。ドバイのIndian Business & Professional Councilは、年初から会員数が15%増加したと報告した。これは、激動期にも起業家精神が栄えることを示す重要な例である。

国際企業の進出も続いている。Economy Middle Eastによると、2026年第1四半期にはドバイ国際金融センター(DIFC)に775社の新会社が登録され、前年同期比で62%増となった。同メディアによれば、3月の新会社登録数は前年同月比で59%増加した。2026年初めのドバイ金融市場(DFM)における1日平均売買代金は前年同期比56%増で推移し、機関投資家が取引活動の70%を占めた。

ドバイの経済的基盤は深い。DIFCだけでも500社を超えるウェルスおよび資産運用会社が存在し、同センターの上位120のファミリーオフィスが運用する資産はおよそ1兆2000億ドル(約196兆円)に上る。

2025年には、合計純資産630億ドル(約10兆3000億円)を持つ推定9800人の富裕層がドバイに移住した。私はこうした人々の多くと直接関わってきたが、彼らはこの都市に強いコミットメントを示し続けている。

リーダーが考慮すべき点

あらゆるグローバルハブと同様に、ドバイも中東が直面するものを含め、国境を越えた課題から完全に免れているわけではない。サプライチェーンの寸断リスク、人材獲得競争の激化、市場競争の高まりは、いずれも企業が乗り越えなければならない要素である。

ドバイへの移転や進出を検討する起業家や企業は、市場で直面する競争の水準について現実的であるべきだ。近年、より多くの国際企業がこの都市に引きつけられているなか、ドバイ市場で際立つには、真に差別化された価値提案が必要である。

未来を見据えて

私は幾度ものサイクルを通じてドバイを見てきた。世界金融危機やパンデミックの際など、この都市が見限られた時期を覚えているが、そのたびにより強くなって戻ってきた。迅速かつ強靭に対応することが、将来の成功を左右するだろう。

ドバイは依然として課題の影響を受け得る。起業家は、どの市場でもそうであるように、事業を立ち上げる前に、確かなアイデア、支援基盤、慎重に戦略化された事業計画を備えていることを確認すべきである。

私はここで会社を立ち上げ、また別の会社を閉じてもきた。成果を上げた投資もあれば、高くつく教訓を与えてくれた投資もいくつかあった。変わらないのは、ドバイが立ち止まることを拒む姿勢である。結局のところ、この都市とその国際ビジネスコミュニティが実際に売っているものは、陽光やスカイラインではない。機能停止してもおかしくないと思える局面でも、動き続ける能力なのである。

forbes.com 原文

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