AI

2026.07.28 15:44

AI経済はすでに到来した。次に問うべきは「何が来るか」である

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今日のAI需要に応える機会は目前にあり、投資対象となる。同時に、次に続くものを形づくるべき時でもある。

革命をめぐって

AIは仕事と繁栄の未来にどのような影響を及ぼすのか。2026年7月初旬、イーロン・マスクはXに自身の答えを投稿した。「AI+ロボットはあらゆることをこなせるようになり、その結果、ユニバーサル・ハイ・インカムが実現する。仕事は選択制になる」。映画『マネー・ショート』で知られる投資家マイケル・バーリは、これに強く反論した。「間違いだ。その前に革命が起きる」。このやり取りは、今年に入り激しさを増してきた議論を象徴している。エコノミストは生産性への影響を検討し、政策担当者は労働代替に関する公聴会を予定している。

一方、AI経済の別の領域では、世界最大級のテクノロジー企業が2026年だけでデータセンター建設に約7000億ドル(約115兆円)を投じることを約束している。前年の3800億ドル(約62兆3000億円)に上乗せされる規模だ。この支出水準は、新たな産業革命に匹敵する投資機会の規模をめぐる強気の見方を生む一方で、電力需要から水使用に至るまで、システム全体への影響に対する懸念も高めている。

議論は同時に2つの方向へ進んでいる。AIが完全に展開された後、経済はどのような姿になるのか。そして、いまこの規模で構築を進めることにはどのような帰結があるのか。この2つの問いは結びついているが、適切に答えるには、それぞれを固有の問題として扱う必要がある。

見慣れたパターン

技術革命の経済は、2つの異なるサイクルを通じて進む。経済学者カルロタ・ペレスが2世紀にわたって描き出してきたパターンであり、AIもそれに従っている。第1は、インフラ投資と資本形成にけん引される「導入(インストール)」サイクルである。第2は、企業による採用にけん引され、生産性や労働市場への影響として測定される「展開(デプロイ)」サイクルである。AI経済の未来をめぐるエコノミストの議論の多くは、GDPから労働に至るまで展開の影響に焦点を当てているが、現在の資本の大半はいまだ導入に向かっている。適切なサイクルに焦点を当てずにAIの経済的影響を評価することは、この段階に不適切な指標を用いることを意味する。同時に、この瞬間に最も肥沃な投資機会と、次に続くものを形づくる機会の窓を見落とすことにもなる。

19世紀半ばの鉄道ブームは、有用な類推を提供している。その導入サイクルにおいて、目に見える影響は鉄の需要、地価、建設雇用に現れた。生産性向上と雇用代替は後から訪れ、到来した時には大きなものとなった。しかし導入段階では、従来の産出統計の中に鉄道の効果を探した経済学者は、投資規模が約束するように見えたものをはるかに下回る結果しか見いだせなかった。インフラがまず建設されなければならなかったからだ。

AIも同じ順序をたどっている。ゴールドマン・サックスは、AIの測定可能な経済的影響はまだこれからであり、現在のGDPデータにはまだ現れていないと論じている。AIは現在、建設、データセンター運営、エネルギーインフラにおいて多くの導入期の雇用を生み出している。一方で、ホワイトカラーの知識労働における初期の展開期の喪失は、大規模な雇用代替予測の始まりにすぎない。いずれの影響も初期的かつ部分的である。展開サイクルとその全面的な経済的帰結は、なお先にある。

実際に到来している経済

設備投資、電力需要、投入価格の上昇はいずれも、今日すでに可視化されている。この構築を制約しているのは物理的な要因だ。新たな電源を送電網に接続するまでの数年単位の待ち時間、設備や許認可の確保の遅れ、熟練した建設労働者の不足、そして地域社会の反対の高まりである。データセンター建設に対するモラトリアム案は現在、地方、州、国の各レベルに積極的に広がっている。特筆すべきことに、7月14日、ニューヨーク州は全米で初めて、新たなハイパースケールデータセンター建設に州全域のモラトリアムを課した

データセンターは現在、米国の発電量の4%から5%を消費しており、EPRI(米国電力中央研究所)の予測によれば、この比率は2030年までに9%から17%に達し、過去10年でほとんど拡大していない電力システムの中で2倍超に膨らむ見通しだ。電力土地建設産業設備への需要増はいずれも、鉄道建設が投入価格を押し上げたのと同じ理由で、価格インフレに直面している。この緊張は、投資コミュニティの内部においてさえ、AI構築が行き過ぎたのではないかという議論をあおっている。しかし事実として、こうした条件下で価格が上昇していることは、過剰ではなく真の希少性を示している。

設備投資のコミットメント、電力需要予測、物理的ボトルネック、投入価格インフレは、総じて導入期の指標である。これらは今日すでに現れている一方、労働市場と生産性の指標が動くにはより時間がかかる。

鉄道会社の破綻は別の教訓を与えているが、それを理解するには精密さが必要である。鉄道会社が破綻したのは需要が失われたからではない。貨物量はこの期間を通じて増加していた。しかし、鉄道は最終的に建設されたものの、競合各社は市場シェアを得るために並行する線路の敷設を急ぎ、その過程で多くの投資家が過剰レバレッジとミスプライシングにより財産を失った。AIの導入期は、鉄道とは2つの重要な点で異なる。今日の主要な建設主体は、土地供与債務で過剰にレバレッジをかけているのではなく、強固なバランスシートを有している。また、制約条件は並行する容量の過剰建設ではなく、共有される投入資源の希少性である。それでも教訓は当てはまる。資本構成、バリュエーション、需給力学は常に重要であり続ける。

今日の資本と政策にとっての意味

市場の論評の多くは、物理的な構築の先にある、どのソフトウェア企業が勝ち、どのビジネスモデルが容量設置後に持続性を示すかに焦点を当てている。一方、実際には、現在コミットされている資本の大半はインフラそのものに向かっている。この容量の提供者は、どのアプリケーションが勝つかにかかわらず、導入経済の恩恵を受けることになる。これには、公益事業、発電開発事業者、産業設備メーカー、インフラ提供企業、建設会社、データセンター運営事業者などが含まれる。

ここでの投資テーゼには、重要な構造的非対称性がある。展開期には、アプリケーション間の競争が勝者を決める。導入期には、最終的にどのアプリケーションが持続性を示すかにかかわらず、経済全体が必要とする容量に資本が向かう。AIの採用がコンセンサス予想を上回るか下回るかに関係なく、今日の電力・インフラ容量と明日のAIの野心との間にあるギャップは、差し迫っており、具体的で、投資可能である。

投資家と政策立案者の双方にとって、この段階で行動するには、いま対処すべき制約を認識することも必要である。たとえば、遅い許認可、電力システムへの過少投資、熟練技能職の不足、雇用代替に対する社会の不安である。こうした制約要因を取り除き、責任をもって管理することは、第2段階が到来するための前提条件である。

この瞬間を意図的に管理する

社会的な操業許可(ソーシャルライセンス)は、両方の段階に対する制約である。データセンターの立地と産業建設に対する地域社会の反対は、すでにプロジェクトを阻み、スケジュールを延ばしている。エネルギー価格、土地利用、環境への影響を感じながら、まだ便益を実感していない有権者や地域社会は、さらに減速させるだろう。

しかし、意図をもって管理すれば、この構築の物理的需要は、送電網の更新からクリーンエネルギーインフラ、そして実際かつ即時の雇用成長がある熟練技能職の人材育成に至るまで、多くの地域社会の長年のニーズにも対応し得る。導入期から具体的な便益を見いだす地域社会は、それを阻止する可能性が低い。

この時期はまた、深い展開期の混乱が全面的に到来する前に、その懸念に対処する機会でもある。これは極めて重要である。対処されない展開期の懸念は、データセンター開発そのものへの反対をあおることで、導入期の制約にもなっているからだ。この局面に応えるには、両方を同時に扱わなければならない。

2026年だけで、州議会議員は米国各地の州議会で2100件を超えるAI関連法案を提出しており、労働者保護、アルゴリズムの説明責任、自動意思決定が焦点となっている。ルーズベルト研究所ハーバード・ロー・スクールのCenter for Labor and a Just Economyは、AIガバナンスの意思決定における労働者の発言権拡大、より強固な規制枠組み、執行可能な説明責任を求める提案を推進する複数の機関の一つである。次のステップは、こうしたシグナルが、依拠するに足る一貫性と信頼性を備えたガバナンス・アーキテクチャへと収れんすることでなければならない。

あらゆる技術革命は、導入と展開の間に機会の窓を生み出す。その瞬間を賢明に使えば、社会は次に何が起きるかを決めることができる。価格が下落し、労働が任意となり、繁栄が広く共有される、高い豊かさを備えた展開経済というマスクのビジョンは、確かに到来するかもしれない。実際に何が到来し、誰のために到来するのかは、この機会の窓がどのように使われるかにかかっている。

forbes.com 原文

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