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2026.07.28 15:39

2026年にフィンテック業界が注目するテーマと、決済業界にとっての意味

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長年にわたり世界各地のフィンテック・カンファレンスに参加してきた私は、華やかな発表よりも、そこに現れるパターンに注目するようになった。それは、誰もが話題にしているような大規模な新しいトレンドと、静かではあるが繰り返し浮上する一貫したテーマの両方である。

アムステルダムで開催されたMoney20/20 Europeから戻ってきて、3つのテーマが際立っている。クロスボーダー決済を信頼性の競争として捉える視点、決済業界におけるステーブルコインとエージェント型AIの役割、そしてさまざまなカンファレンスや地域で繰り返し登場する「相互運用性(interoperability)」という言葉である。

クロスボーダー決済:価格競争から信頼性の競争へ

クロスボーダー決済では、まだ誰もが十分に理解しているわけではない成熟が進んでいる。デジタルのクロスボーダー決済の初期には、顧客はほぼ全面的に、最も良いレートを提示するか、最も良い商業条件を持つ事業者を基準にサービス提供者を選んでいた。

しかし、競争が激化して価格が低下した現在、残された真の課題は、すべての送金ルートにおける決済の信頼性とスピードをいかに標準化するかである。同業界は2026年の1935億ドル(約31兆7000億円)から2033年までに3120億ドル(約51兆1000億円)規模に成長すると予測されており、この課題は極めて重要である。

アムステルダムのサミットでは、この急激な成長の中で、決済インフラがいかにコモディティ化しつつあるかについて、何度も議論を交わした。国境を越えて資金を届けるために裏でNeemaを利用しているデジタルウォレットや送金企業など、多くのフィンテック企業は現在、同じ送金ルート上で同じ機会をめぐって競い合っている。業界全体で価格の差が数年前よりも縮まっているため、顧客は信頼性、すなわち「資金が予定通りに届くかどうか」により注目するようになっている。

中央銀行の中央銀行として知られる国際金融機関、国際決済銀行(BIS)は最近、国際送金のコストは低下した一方で、スピードと信頼性にはなお大きな改善余地があると指摘した。同機関の報告によれば、取引開始から1時間以内に入金されるのは、ホールセール決済および送金の55%、世界のクロスボーダー・リテール決済の35%にすぎず、同機関の目標である75%を大きく下回っている。

決済は数秒、あるいは少なくとも数分以内に適切な目的地に届くのが当然と思われるかもしれないが、特定の送金ルートや特定の決済レールを使用する決済が滞り、遅延したり、まったく届かなかったりすることが依然としてある。

これは実際、自動車の運転によく似ている。昨日は職場までの道のりが順調だったとしても、今日は同じルートで突然、予測不能な渋滞が発生することがある。同様に、決済を単一の硬直的な経路に頼るだけではもはや不十分であり、代替ルートを用意しておく必要がある。

これは問題である。消費者も企業も国内では即時決済に慣れており、送金、海外のベンダーへの支払い、その他の国際決済でも同じスピードと信頼性を期待するようになっているからだ。競争によって価格が下がったいま、重要な差別化要因は、エンドユーザーが決済は一貫して時間通りに届くと期待できるかどうかである。

AIエージェントとステーブルコイン:グローバル決済の新技術

Money20/20で議論された最大のテーマの1つは、ステーブルコインや、ユーザーに代わって金融上の行動を実行できるAIエージェントといった、グローバル決済技術の台頭だった。

ステーブルコインは、イノベーションからインフラへ移行しつつある。カンファレンスでは、それを単なる構想として語るだけでなく、実際の利用経験を共有する参加者が多かった。ステーブルコインによる決済は急速に拡大しており、その中心はB2B取引である。ステーブルコインとは、ビットコインとは異なり、米ドルやG7通貨のような特定の資産に対して安定した価値を維持するよう設計された暗号資産である。

ステーブルコイン決済は、2025年に約3900億ドル(約63兆9000億円)に達した。これは2024年の水準の2倍超、2020年の水準の10倍超である。ただし、取引、ブロックチェーン上の自動化された活動、内部資金移動を含むすべての用途で報告されている年間最大35兆ドル(約5730兆円)の総取引額から見れば、ごく一部にすぎない。

AIエージェントも同様の軌跡をたどっており、決済業界は、家賃の支払い、デビットカードへのチャージ、貯蓄口座の開設、送金などの金融タスクを管理できる、消費者向けAIアシスタントの導入へと向かっている。

これを可能にするため、銀行やフィンテック企業は、AIエージェントが金融情報へ安全にアクセスし、取引を実行できるようにする標準化されたフレームワークやAPIの検討を始めている。同時に、この移行がプライバシー、セキュリティ、コンプライアンス(法令順守)に関する重大な課題をもたらすことも認識しておく必要があり、これらは今後のカンファレンスでも間違いなく議論されるテーマになるだろう。

相互運用性:消えない決済のバズワード

新技術をめぐるあらゆる議論の中で、私が参加する他の多くの業界カンファレンスと同様に、Money20/20でも繰り返し登場した、定着しているバズワードが1つある。それが「相互運用性(interoperability)」だ。

この概念がすぐに消え去ることはない。なぜなら、相互運用性は、ますます断片化が進むグローバル決済のエコシステムにおいて切実に求められている解決策だからである。デジタル決済の台頭により、SWIFTのような国際銀行インフラは急速に時代遅れになったが、それに取って代わる単一のシステムは現れていない。

相互運用性は、銀行やモバイルウォレットなど異なる決済手段が互いに通信し、取引できるようにすることで、断片化の問題解決に役立つ。消費者にとって、こうした接続は国内にいるときでも海外にいるときでも、デジタル決済を現地の決済のように感じさせる助けとなる。新しいアプリをダウンロードしたり、カードに頼ったりする代わりに、ユーザーは既存のウォレットから直接決済を開始でき、資金は口座間(A2A)決済を通じて移動する。

クロスボーダー決済に残された課題

クロスボーダー決済が10年前よりはるかに良い状態にあることは明らかである。しかし、断片化、そして決済の失敗や遅延が依然として業界の中核的課題である以上、クロスボーダー決済を、ユーザーにとって少なくとも国内決済と同じくらい安定的で、予測可能かつスムーズなものにするためには、さらに取り組むべきことがある。いまこそ、ステーブルコインやAIエージェントのような新しいツールを活用するとともに、世界のクロスボーダー決済のスピード、信頼性、相互運用性を引き続き改善すべき時である。

forbes.com 原文

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