過去10年で、世界のエネルギーアクセス分野は、かつて不可能と思われていたことを成し遂げた。実験的とみなされていた技術は商業的に成立するものとなった。サプライチェーンは成熟した。世界中の数百万の世帯や企業が、いまや分散型エネルギーシステムに電力供給を頼っている。
しかし、こうした進展にもかかわらず、電力へのアクセスはますます資本配分上の課題になりつつある。
世界は、太陽光発電を導入する方法、機器を大規模に製造する方法、顧客を接続し、デジタル決済を処理し、複数国にまたがる大規模な分散型ポートフォリオを管理する方法を理解している。未解決のまま残っているのは、事業者が単に急成長するのではなく、持続可能な形で規模を拡大できるようにエネルギーアクセスへ資金を供給する方法である。
この違いは重要である。
過去10年でクリーンエネルギー移行に数兆ドルが流入した一方で、その資本のあまりに多くが、実行力ではなく野心を軸に組成されてきたと私は考えている。その結果、必ずしも持続性に報いることなく、活動そのものに報いることの多い資金調達エコシステムが生まれている。
政府、開発金融機関、民間投資家が野心的なインフラ構想を支持して結集するなか、議論がより大きな資本プールの動員に集中するのは当然である。しかし、エネルギーアクセスの次の章を決めるのは、この分野にどれだけの資金が流入するかではない。その資金がどれほど賢明に投じられるかで決まる。
欠けている中間領域
新興市場全体で、事業者はしばしば2つの世界の狭間に閉じ込められている。イノベーションと初期段階の成長を目的とした譲許的資金と、予測可能なリターンや確立された事業実績を求める商業資本である。
この2つの資本プールの間に、この分野で最も重要な構造的制約があると私は考えている。すなわち、有望な企業が永続的なインフラプラットフォームへ移行する過程を支える、適切に設計された資金調達という「中間領域」の欠落である。
この欠けた中間領域は、当社が展開する12市場の事業者と話す際に、私が最も一貫して直面する制約である。実証段階を脱したものの、主流の商業債務に必要な規模にはまだ達していない企業は、真に橋渡しが難しい空白に置かれる。初期段階のイノベーション向けに設計された譲許的な金融手段には大きすぎる一方で、商業金融機関が求めるガバナンスや事業実績の面ではまだ早すぎるのである。
2030年の電化目標を達成するには、年間350億ドル(約5兆7300億円)の投資が必要と推計されている。しかし、利用可能な資金はリスクスペクトラムの両端に集中したままであることが多く、成長段階の事業者はその空白をほぼ自力で切り抜けざるを得ない状況に置かれかねない。
その資金層が欠如していると、事業者は不健全なトレードオフを迫られることが多い。企業はキャッシュフローが成熟する前に過剰なレバレッジを抱えかねない。エクイティ資本は本来の目的を超えて引き延ばされる可能性がある。成長目標は事業運営の現実から乖離し得る。急速な拡大を示す圧力が、レジリエンスがあり持続可能な事業を構築するという同じく重要な要件を上回り始めるのである。
善意が歪んだ結果を生むとき
エネルギーアクセス分野は、開発金融機関、ドナープログラム、革新的な資金供給メカニズムから多大な恩恵を受けてきた。それらがなければ、この分野で最も重要なブレークスルーの多くは起こらなかったかもしれない。しかし、業界が成熟するにつれ、実行を加速する資本と、意図せずそれを歪める資本構造を区別することが、ますます重要になっている。
リバースオークションはその一例である。効率性を促すために設計されている一方で、プロジェクトの運用期間を通じて維持することが難しい価格戦略を促しかねないと私は考えている。入札に勝つことと、長年にわたり信頼できるサービスを提供することは、必ずしも同じ課題ではない。
成果連動型の資金供給メカニズムも、インセンティブが事業運営の現実と慎重に整合していない場合、同様の問題に直面し得る。場合によっては、事業者が顧客成果や長期的なシステム性能ではなく、報告の枠組みやコンプライアンス上のマイルストーンに最適化してしまうことがある。
問題は、補助金や譲許的資本が存在すべきかどうかではない。どちらも不可欠であり続ける。問題は、資金供給メカニズムが持続的な実行に報いるのか、それとも短期的な活動にすぎないものに報いるのかである。
市場は必然的に、目の前に置かれたインセンティブに反応する。資金調達が発表に報いるなら、業界は発表を生み出す。資金調達が検証済みの導入、顧客維持、長期的な成果に報いるなら、事業者はそれらの成果を大規模に提供できる組織を築くことになる。
規律ある資本フレームワークの構築
この分野が次の成長段階に入るなか、資本配分にはより規律あるアプローチが必要だと私は考えている。
目的は単に資金をさらに動員することではなく、投資家、政府、開発機関、事業者の利害を長期的な実行に向けて一致させる資金調達構造をつくることであるべきだ。その枠組みと業界リーダーを導くべき原則はいくつかある。
第一に、現地の金融機関は、この分野の成長により積極的に参加することを目指せる。長期的なインフラ市場は、国際資本のみに無期限に依存することはできない。現地銀行は市場知識、現地通貨での資金供給能力、国内の経済的優先事項とのより強い整合性をもたらす。分散型エネルギーが主流のインフラ資産クラスへと発展するには、現地金融機関の参加が不可欠である。
第二に、リスク分担メカニズムはより洗練されなければならない。ブレンデッドファイナンス構造、保証、ファーストロス・ファシリティは、特に認識されるリスクが実際のリスクを上回り続ける市場において、民間資本を呼び込む助けとなる。目標はリスクをなくすことではなく、それを管理するのに最も適したステークホルダーの間で賢く配分することである。
第三に、リーダーは補助金を、予測された意図ではなく、検証済みの成果とより強く結びつけるよう主張できる。十分なサービスを受けていないコミュニティに届くためには、公的資本は依然として不可欠である。しかし、支援メカニズムは、理論上の予測ではなく、測定可能な導入、検証済みの接続、持続的な顧客への影響に報いるとき、はるかに効果的になる。
最後に、資金調達構造は事業者の経済性を中心に設計されるべきである。あまりにも多くの場合、資本構造は投資家の視点から構築され、その後、事業運営の現実に押し付けられる。持続可能な規模拡大は、企業が実際にどのように顧客を獲得し、資産を導入し、ポートフォリオを管理し、長期的価値を生み出すかを資金調達が反映するときに生まれる。
実行が資金調達を形づくるべきであり、その逆であってはならない。
Mission 300の究極の試金石
Mission 300は、2030年までにアフリカで3億人を電力に接続する取り組みであり、この10年を象徴するインフラ構想の1つとなる可能性を持つ。
その成功は、導入、運用、長期的なサービス提供のライフサイクル全体を通じて、規律ある事業者を支えられる資金調達エコシステムをこの分野が構築できるかどうかにかかっていると私は考えている。
この環境で成功する組織は、最も大胆な約束を掲げる組織ではない。事業運営上の規律と財務上の規律を組み合わせ、資本をインフラへ、インフラを経済的生産性へ、経済的生産性を持続的な開発成果へと変換する組織である。
エネルギーアクセス資金調達の未来は、根本的にはより多くの資金を調達することではない。その資金を投じるためのより優れたシステムを構築することにある。



