この人間第一(ピープル・ファースト)のアプローチは、組織やリーダーシップに対する信頼を構築・回復させるだけでなく、採用ブランド(エンプロイヤーブランド)にも好ましい効果をもたらす。
AIによって力を得て、それを使ってまったく新しいワークフローやプロセスを生み出すことを学ぶチームは、革新性を維持し、迅速に適応し、同時にスピード感を持って業務をこなしながら、より高い品質基準を維持することができる。
経営層と解雇された労働者が今すべき準備
そこで、人事リーダーや経営陣には以下のことを勧めたい。
一つ目は、人員削減を実行する前に、従業員のAIスキル(技術的なスキルだけでなく、特に判断力やワークフローの再設計といった非技術的な能力)のリスキリングに集中的に投資することだ。
二つ目は、業務やワークフローにおける課題やボトルネックについてチームから意見を吸い上げること。各チーム・部門にワーキンググループやフォーカスグループを設置し、AIが業務にどのような影響を与え、どのようなメリットをもたらすかを共同で検討させよう。もちろん、この取り組みは指名された中間管理職が主導するが、チーム内の「AI推進リーダー」もまた、先頭に立って推進していくことになるだろう。
最後に、この知見を組織の人事戦略に反映させ、すべての従業員とチームがAIのサポートを受けて最高のパフォーマンスを発揮できるようにすること。それにより、雑務という事務的な負担から解放され、人間らしさ(判断の適用、信頼関係の構築、信用と信頼の確立)を発揮できるようになる。
そして、AIを理由に職を失った人々へ。希望を捨てる必要はない。人間ならではのスキルは依然として重要であり、あなたの専門知識には価値がある。
必要なのは、AIの普及という状況を踏まえて自身のキャリアの軌跡を捉え直し、その見せ方を再構築することだ。それこそが、競争の激しい雇用市場で自らの価値を高める方法である。


