フィンテック企業のKlarnaは2025年、AIが人間700人分の業務をこなせると主張して採用を一時停止した。しかしその後、CEOは品質の低下を理由に、人間によるサポート体制を再構築する必要があると認めた。
経営陣が解雇を後悔する理由
これらすべてが、否定できない一つの同じメッセージを指し示している。
経営陣は、AIの「将来性」への期待から何千人もの従業員を解雇している。しかし多くの場合、人間による最小限の関与でAIがどれほど効率的に機能するかという「現実」を見届ける前に、その決定を下してしまっているのだ。
その直接的な結果として品質低下を招き、大きな代償を伴う過ちを犯したという痛切な後悔とともに、人員削減計画を撤回せざるを得なくなっている。
5月にロンドンで開催された国際カンファレンス「Workhuman Forum」に参加した際、Workhumanのエリック・モズレーCEOが基調講演で語った言葉が忘れられない。
「経営陣はAIの『約束(可能性)』に賭けているのだ」
その裏付けとして同氏は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究を引用した。それによると、企業レベルでの生成AIのパイロット運用の95%が失敗に終わっており、報告書によればAIプロジェクトの80%以上が失敗し、数十億ドルが無駄になっているという。
それにもかかわらず、企業はAIの導入が真の投資収益率(ROI)をもたらすために不可欠なリソースである「人材」を切り捨てながら、さらに数十億ドルをAI投資に投じ続けている。
AdeccoグループCEOのデニス・マシュエルは、最近のインタビューでこう語った。
「人間対AIではなく、人間とAIの共存なのだ」
マシュエルは、チームを完全に置き換えたり解体したりするのではなく、AIを中心に業務を再設計し、従業員がAIとともに成長できるよう支援し権限を与えることで、組織はより多くの成果を達成できると考えている。


