LinkedInのデータをさらに詳しく分析すると、フィールドエンジニアの採用数はコロナ禍以前の水準を上回っていることがわかった。「フィールドエンジニアとは、現場での機器設置をサポートする人材だ」とカンテガは指摘する。「そのため、土木工学の学位を取得してフィールドエンジニアリングに進めば、太陽光発電への移行関連からデータセンターでの勤務に至るまで、あらゆる種類の職務が存在する」
要するに、すべての工学系卒業生は、自らの分野でどこに成長機会があるかを見極め、そこに入り込む方法を見つけ出す必要がある、とカンテガは言う。例えば、AIを活用したシステム設計などを含む「自動化工学(automation engineering)」も、コロナ禍以前と比べて採用数が増加している分野の一つだ。工学系の卒業生は今、「大学での専攻で得たスキルを、工学分野全般の他の領域や分野にどう応用できるか」を自問する必要があると彼は指摘する。
コンピュータ・ソフトウェア・エンジニアについては、コア業界での採用数は25%減少しているものの、化学工学や航空宇宙工学のエンジニアと比べると、汎用性の面で優位に立っている。彼らのスキルを必要とする企業が多いためだ。AIの普及により、IT企業によるプログラマーの採用数が減ったとしても、他業界の企業では、自社でのAI導入を推進し、他の従業員にそれを説明できる技術専門家が必要とされている。ただし、そのためには相応のコミュニケーション能力を備えていることが前提となる。
名門大学の新たな対応策
一流の工科大学は、(エンジニアがそうするように)解決策の模索に取り組んでいる。米国版Forbesが発表している、企業から高く評価されている公立・私立各10校をまとめた「ニュー・アイビー」リストに3年連続で選ばれているジョージア工科大学を例に挙げよう。同学の学務担当副学部長で電気・コンピュータ工学の教授であるマチュー・ブロックは、工学部の学生がもはや「15回の面接を受け、15社の内定を得る」ような状況ではなくなったことを認めている。それでも同学の学生たちが比較的健闘しているのは、「変化に強い学生」を育てる取り組みを行っているからだという。
ジョージア工科大学では、2024年に工学部とビジネススクール、教養学部をまたぐAI副専攻プログラムを開設したほか、工学部の学生がどのような分野でも活躍できるようにソフトスキルの習得に力を入れている、とブロックは話す。さらに、学生がこれらのスキルを磨くのを支援するために、実際にAIを活用しているという。


